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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―大掃除―
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 国際大会《ジェネックス》も終わって長期休暇に入ったデュエル・アカデミアでは、大分人数が少なくなったものの、例年に比べると結構な人数が学園に残っていた。
何故ならば、オベリスク・ブルーの生徒にはまだ仕事のような物が残っていて、その仕事を果たす為にオベリスク・ブルー生徒が学園に残っているからだ。

 ――そう、オベリスク・ブルー寮のペンキ塗り直しである。

 業者さんに頼んでくれれば良いものを、光の結社に入った生徒たちの自業自得と鮫島校長が判断した結果、万丈目の指揮の元オベリスク・ブルー生徒たちはペンキの塗り直しをしているのである。

 かく言う俺もジェネックス中は光の結社狩りをしていたものの、俺も光の結社に入っていたということで、一緒に帰る筈だったレイと別れてペンキの塗り直しをやっていた。
俺の仕事は主に内部の方の極一部分であり、他の人に比べれば担当面積はかなり狭かったのだが、それでも俺はここを担当したくはなかった。

 俺の担当場所は二つの部屋で、オベリスク・ブルー寮一の魔窟と名高い三沢の部屋と、ジェネックスの時には気づかなかったが……斎王に使われていたせいですっかり改造されている自室だった。
三沢の親友&自分の部屋だから、という理由でこの二つの部屋を押しつけられた俺は、まずは三沢の部屋の掃除をしていた。

「……大体片づいたか」

 所要時間は実に三時間半、それが三沢の数式やらが壁に所狭しと描かれた三沢のペンキ塗りと、研究所に送ってやる私物の整頓にかかった時間だった。
流石に私物は専門の業者さんに任せて送るものの、このままの部屋では業者さんの精神衛生上よろしくなかったので、掃除するついでに纏めておいた。

「さて、次は……俺の部屋か……」

 斎王の手によって使い道の無い謎の地下道が建設された俺の部屋は、他にも装飾品が全て白くなっていたり、呪われそうな占いの用具が収納してあったりという弊害があった。
未だに斎王は療養中であるらしいので、あの占い用具は美寿知の知り合いが取りに来ることになっている。

 肩を落としながら俺の部屋に向かおうとしたところ、三沢の持ち物であるカードフォルダーがポロッとこぼれ落ち、まとめてある場所から床に転がった。
反射的に拾い上げ、そのまま元の場所に戻そうとした時、とある考えが俺の頭を横切った。

 ……見るぐらい大丈夫だろうか、と。

 ジェネックス中に消えてしまった、三沢の代わりに部屋を掃除してやっているのだから、少しだけ三沢のカードフォルダーを見るぐらい良いのではないか……いや、当然の権利だと主張しよう。

 頭の中で勝手に考えを自己完結させておくと、三沢の膨大なカード知識の一片であるだろう、カードがコレクションされているカードフォルダーを開けた。

 開かずと
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