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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十三話 仮面の正体
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界を思い出す。

 助けた事を喜んでくれた事もあった。
 感謝された事もあった。

 だが斬り捨てた人の親しい人から恨まれた事がった。
 命を狙われた事があった。

「最小限であって0ではない。
 貴方が斬り捨てた人間達の復讐の刃が貴方に、貴方の大切な人に向けられる。
 それを理解しているのか。
 もし、はやてを氷結封印したら俺は貴方を殺しに来る。
 同じように氷結封印にクロノやフェイトが巻き込まれれば、リンディさんやプレシアが。
 斬り捨てられた者達の親が、子が、兄弟が、友が貴方に復讐しようと怨嗟の声を上げる。
 殺人者、異常者と罵り、殺しに来るという事をわかっているのか、ギル・グレアム!」

 答えることなく、力なく肩を落とすグレアム提督に、俺も息を吐き出す。

 説教するとは一体何様のつもりだ。
 俺が歩んだ道だというのに。

「そんな道に踏み込んではならない。行きつく先は……破滅しか残らない」

 俺が語れるのはここまでだ。
 とりあえずシグナム達と今後の動きは考えている。

 これ以上勝手な行動をさせて予定が狂う事は避けたい。

「……リーゼ達は今どこにいる?」
「……闇の書を監視していたアリアによると今日、騎士全員が八神はやての所に集まる。
 もう闇の書の空白頁もわずかだ。
 何かあれば騎士達を蒐集することでリーゼ達は闇の書を完成させるだろう」

 今日……だと
 なのは達もアポなしではやてに会いに行っているのだから鉢合せになる可能性が高い。
 本当に俺はここぞという時の運がないらしい。

「闇の書、いや夜天の書を完成させ、八神はやての意識さえ取り戻せれば止めることは出来るというのに。
 いや、これはギリギリまで俺とシグナム達に以外に情報を明かさなかったこちらの問題でもあるか」

 巻き込まないようにと秘密裏に進めてきた事が仇になったともいえるのかもしれない。

 俺はコートを脱ぎ捨て、鞄に入れていた赤竜布を纏う。
 そんな俺の横でモニターを開き、何やら操作するグレアム提督。

「衛宮君、君の緊急ポートの使用許可を取った。
 うまくいく事を願っているよ」
「ロッテがフェイトを襲った件などもある。
 細かい話はまた後に」
「ああ、私はここで待っているよ」

 短い時間で老けこんだようなグレアムを残し、部屋を出る。

 ああ、アレは教えておくか。

「それと先ほどのゲイ・ボウの話ですが嘘です。
 アレの傷から呪いが広がる事はありませんのでご安心を」
「そうか。それは一安心だ」

 安堵したのか大きく息を吐くのが聞えた。

 クロノにそんな呪いがない事に安心したというところかな。

 そして、振り返ることなく転送ポートに向かって
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