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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十三話 仮面の正体
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完敗だよ。
 私がロッテとアリアに命じて闇の書の監視と君達の邪魔をしていた」

 証言としては十分だ。
 最後に教えておくとしよう。

「血の匂いですよ。
 俺は人の理から外れてましてね。
 血の匂いには鼻が利くんですよ。
 そして、ゲイ・ボウに付着した血と同じ匂いが貴方からもしていた」
「まさかそんなところからバレるとはね」

 予想外の事に苦笑するグレアム提督。
 そして、大きく息を吐き、ゆっくりと語り始めた。

「私は闇の書が完成した時、八神はやてごと闇の書を氷結封印するつもりでいた」

 完成前に封印しようとしても転生してしまう。
 だが完成後に暴走し、転生する前に完全に氷結させ活動を停止させる。
 あとはその氷結を維持できれば封印は出来るということか。
 確かに有効的な方法なのかもしれない。
 だがその方法は

「両親もおらず、一人で暮らす孤独な子だった。
 孤独な子であればそれだけ悲しむ人は少なくなる」

 九を守るために管理局の法を破り、一を切り捨てる。

 正義の味方(破綻者)の道

 最小限の犠牲で終わらせる選択としては間違っていないだろう。
 だがこの人はこの道の異常さにまだ気がついてはいない。

「グレアム提督。
 その道は、その正義という名の道は、決して踏み込んではならない歪な道ですよ」
「わかっている。
 だが私には」
「いや、理解していない」

 グレアム提督の言葉を遮る。

 人を数という天秤にかけて斬り捨てた人間の末路を。
 行きつく先を理解できるはずがない。

 いや、本来なら人が知ってはならない禁忌なのかもしれない。
 だが俺は踏み込んでしまった。
 一人でも多く救うために正義の味方(破綻者)の道を突き進んできた。
 それが歪なモノとわかっていても

「八神はやてを氷結封印する時、貴方は一つの選択を迫られる」
「……選択?」
「はい。管理局の局員を巻き込むか、否かの選択を強いられる。
 クロノや管理局の局員が闇の書の暴走を止めようとする中で彼らごと氷結させるのかを」

 グレアム提督が俺を真っ直ぐに見つめる。

 闇の書が完成して管理局が気がつかない可能性など無いに等しい。
 その時、クロノや武装局員が闇の書の暴走を止めようと集まり、この選択を強いられることになる。

「その時、貴方は選択し踏み込むことになる。
 犠牲になる数を天秤にかけ、少ない方に最愛の人がいても実行する事を。
 そして、その選択は迷うことは許されない。
 当然だ。
 貴方が迷う分だけ貴方の正義は失敗する危険を増すのだから。
 そして、封印が成功すれば今後の被害も抑え、最小限の犠牲で済む
 だが」

 瞼を閉じて元の世
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