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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十三話 仮面の正体
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ああ、やはり予想通りだ。
この部屋、いやグレアム提督に染みついている血の匂い。
あの仮面と同じ匂い。
前にフェイトの面接があったように俺がお茶を用意して向かい合う。
「今日は君の魔術について改めて教えてくれるという話だったが」
「ええ、本来ならもう少し早く教えるべきだったのでしょうが、闇の書事件などでバタバタしてもいましたから」
「確かに丁度タイミングが悪かったからね」
さて、表面的な話はここまでだ。
本題に入らせてもらうとしよう。
「ところでリーゼロッテは元気にしてますか?」
「ロッテは元気にしているがなぜだい?」
わずかに眉が動いたがそれ以外反応はない。
さすがにこれぐらいではポーカーフェイスは崩さないか。
だがいきなり本題に入るとは思ってなかったようだ。
「黄の魔槍『
必滅の黄薔薇
(
ゲイ・ボウ
)
』で傷つけられた傷は癒える事がありませんから、あの程度の傷でも衰弱してきているのではないかと思いまして?」
「……やはりゲイ・ボウだったか。
だがロッテにそんな傷はなかったはずだが」
さすがイギリス人といったところか。
赤と黄の双槍。
さらに変身魔法の一部を解除した破魔の紅槍から、双槍の真名に検討がついているとは。
「そうですか、それなら構いません。
でも気をつけて下さい。
呪いは広がります。
傷口に触れた手に、そしてその手に触れた所に」
グレアム提督の眼が見開かれる。
「それは……どういう事だ?」
声もわずかに震え動揺が隠しきれていない。
「どうも何も言葉通りですよ。
リーゼロッテの傷に触れた貴方がクロノの肩に触れたのであれば、クロノの肩に。
リーゼロッテがクロノに抱きつきでもしていればクロノの至る所に。
そして、その箇所を負傷すれば血は止まることなく、治癒する事もない」
俺の言葉にグレアム提督の視線が両手に向けられる。
「バカな。ゲイ・ボウの伝説にそんな事を聞いたことがない」
当然聞いたことはないだろう。
だけどそれはいくらでも誤魔化せるんですよ。
「不思議なことでありませんよ。
歴史とは改竄され、歪んで伝わるモノです。
その中で、本当の能力が伝わらない事などいくつもある。
私も所有するまで知りませんでしたから。
そして、呪いは私を殺すか、槍を破壊しなければ解けることはない」
グレアム提督は大きく息を吐く。
そのまま肩から力が抜け、項垂れるようにソファに体を預ける。
「……いつ気がついたんだい?」
「何がです?」
直接言葉にするように促す。
「ロッテとアリアがあの仮面だという事にだ」
「では認めるのですね」
「ああ、私の
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