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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十三話 仮面の正体
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時、士郎の纏う空気が変わった。
士郎の纏う空気はわからなかったが僕は無意識のうちに手を握りしめて、背筋は冷や汗が流れていた。
まさか……士郎も気がついたのだろうか?
エイミィに隠れて調べていたグレアム提督の事。
管理局内での動き、そして出身世界である第97管理外世界とのやり取りを調べていていくつかわかった事もある。
もし士郎が気がついたのなら注意しておかなければならない。
最悪の事態を避けるためにも
side 士郎
海鳴に戻り、家路につきながら携帯を操作する。
「グレアムだ」
「いきなりの連絡申し訳ありません。
海鳴の管理者、衛宮士郎です」
「どうしたんだい、衛宮君が私に直接連絡を取って来るという事は会話の内容を聞かれたくないという事かな?」
クロノが俺に連絡先を教えた事を話していてくれたのだろう。
話が早くて助かる。
「はい、そうです。
闇の書とその騎士達との戦いとなるとどうしても魔術を使います。
リンディさんとレティさんにも教えていますし、闇の書事件の件でグレアム提督に話すタイミングがなかったので、真実をお話しておこうと思いまして。
明日私の学校が終わった後、少し時間を頂けますか」
明日はクリスマス・イブなので、なのは達がアポなしではやてにクリスマスプレゼントを持っていくと言っていた。
だがシグナム達は最近戻らず蒐集をしているらしいから会う可能性も低いだろうし俺は抜けさせてもらおう。
「ああ、構わないよ。
本局に来るための手続きもこちらでしておこう」
「では明日に」
電話を切る。
これで準備は整った。
後は明日を待つだけだ。
明日になれば、裏で何の目的で動いていたのかもはっきりするだろう。
残された時間も少ない。
明日が運命を決める大切な日である気がしていた。
翌日、学校が終わると同時にアースラを経由して本局に向かう。
アースラの転送ポートの件もグレアム提督が昨日のうちにリンディさんに連絡してくれておりスムーズに進む。
もっともなのは達からはせっかくのクリスマス・イブなのにと少々責められた。
今度、お詫びも兼ねて少しスペシャルなデザートでも作ってもって行くとしよう。
俺が持っているのは鞄一つ。
最悪、この場で戦闘に発展する事を想定し、赤竜布の外套を鞄の中に持ってきている。
今は冬という事もあり黒のコートを着ているが、実はその中の服も戦闘用の服である。
局員に連れられてグレアム提督の執務室に通される。
「ご無沙汰してます」
「久しぶりだね。衛宮君」
笑顔で迎えてくれたグレアム提督。
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