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久遠の神話
第四十六話 また一人その十五
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ボタンです」
 かつて予科練の軍服だった。海上自衛隊ではもうなくなった自衛隊生徒にパイロットを育成する航空学生にそしてなのだ。
「我々もそうでしたが」
「予科練扱いだからな」
「それだけで別格ということですね」
「海自さんはかなりあからさまだと思うがね」 
 一佐は海上自衛隊のその制服の差別化には少し苦笑いになって工藤に述べた。
「一方がセーラー服でもう一方が七つボタンだとな」
「教育隊でも目立ちました」
「そうだろうな」
「何から何まで違いましたから」
「候補生と他ではな」
「それで私も二年で三曹になり」
 そしてだというのだ。
「五年、部内幹部は二十五歳からなので」
「それでだね」
「二十五歳で試験を受けて江田島に入りました」
 海軍の頃から変わらない海上自衛隊の幹部自衛官を育てる場所だ。赤煉瓦は観光スポットにさえなっている。
「それで今に至ります」
「二尉になってすぐにだったね」
「剣士になったので」
 その影響もあり二尉になってすぐに一尉になったというのだ。
「もっとも一尉になってからは」
「暫くはそのままだろうね」
「そうだと思います。何しろ特殊な事情ですぐに昇進しましたから」
「そうだな。まあとにかくだ」
「はい、私と高橋君で、ですね」
「その向こうの将校さんのホスト役を務めてくれ」
「そうさせてもらいます」
 工藤は一佐に対して答えた。そうした話をしてだった。
 高橋と二人でその士官と会うことになった。だがこの出会いこそが彼等にとって大きなうねりの一つとなるものだった。


第四十六話   完


                              2012・9・19
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