十四話
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「ほう、稲威は天下をとる人物を探して旅をしていると」
「まあ言い方によっちゃそうなるな。ただし、俺が気に入ればの話だがな」
「ふふ、そうか。それならば我が主のことを気に入ると良いな」
夏侯淵についていく時に、初めて馬に乗った。
馬は俺の太刀二本にも耐えられるようで、俺は驚きと感心と共に馬の頭を撫でながら、夏侯淵と色々な話をしていた。
「それにしても手馴れてるな。よく行軍するのか?」
「ああ、最近は物騒になってきたからな」
それに朝廷も随分阿呆になったしな、と苦笑する夏侯淵に少し同情し、見えてきた街を見つけて問う。
「あれが陳留か?」
「ああ、その通りだ。他の街よりも活気があって良いと思うぞ」
「ほー、そりゃいいねえ。ま、先にお前の主に会おうとは思うんだが、いいか?」
「分かった。伝令を出そう」
夏侯淵が伝令を出し、俺達はゆっくりと街に着く。
門にいる兵士はきちっと統率がとれており、感心しながら街に入る。
大通りは、既に日が落ち夕暮れに近づいていたのだがとても活気があり、次から次に声をかけてきた。
そして城の前に着き、夏侯淵が待っていろといい、城の中に入っていく。
それにしても、中々良い街みたいだな。
『ええ、他ではこうはいかないでしょうね』
(だよな、それじゃなくたって今は黄巾賊のせいで交易とかに被害が出てるのに)
『そこはこの領地の主のおかげね、結構いいところを見つけたみたいよ』
照姫と念話をしていると、夏侯淵が戻ってきた。
「稲威、今から我が主が会ってくださるそうだ。失礼の内容にな」
「失礼のないようにか。まあ教養があまりないんで少し無理かもしれんが、できるだけやってみよう」
「ああ、それで十分さ」
城の入口を入り、夏侯淵の後ろを着いていく。
『それにしても、昨日の今日のでいきなり貴方の主決めなんてね』
(確かにいきなりだな。でもこの時代、地に足をつけるのは早いほうがいいだろ?)
『それはそうだけどね』
(ま、そこに就くかどうかはその主次第だな)
「着いたぞ稲威。さあ入れ」
夏侯淵にいわれ、玉座の間に足を入れる。
その部屋には、大剣を担いだアホ毛と、猫耳フードの少女と、ピンク色の髪をしたチビッ子がおり、その中央にある玉座に座っているのは、金髪クルクルの少女だった。
なにやら愉快な人材を多く取り入れてるなここは。
「貴方が賊から南西の村を守ってくれた人かしら?」
その玉座に座る州牧が、微笑を浮かべながら聞いてきたので、俺は首を振った。もちろん横に。
「残念ながら俺が全部守ったわけじゃない。あんたらが助けに来るまでの間、時間を稼いでい
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