第三十話『パートナー』
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だ。利点と欠点は表裏一体だ。利点になることは欠点に、欠点になることは利点になることもある」
「なるほど……」
「そしてお前のたった一つの武装、雪片二型は状況を覆せる事の出来る。それこそ劣勢すらな」
スウェンはスプーンを置き
「それ故に相手はお前に注意を向ける。零落白夜発動時に攻撃を受けたら一たまりもないからな。だがこちらとしては片方に注目が集まった方が都合がいい」
「俺に注目が集まってる間に、スウェンが攻めるってわけだな」
「そうだ。実質前衛を任せることになる。お前には負担を掛けてしまうことになるがな」
「わかった、前は任せろ!」
意気込みは良し、とスウェンは僅かに笑みを浮かべる。
「まあ……お前は変なところでミスを犯すからな。油断はしないことだ」
「うっ……ぜ、善処する」
「それでいい。さて、これからの訓練について方針を決めるとしよう」
※
授業が終わりスウェン、シャルルは自室へ戻っていた。
「スウェンって何で何時もカレー食べてるの?」
シャルルの突然の質問にスウェンは表情一つ変えず
「特に意味は無いのだが」
「それにしてはほぼ毎日じゃないかな……」
「食べられればそれで良い。栄養をしっかり取れていれば種類など気にはしない」
「それじゃダメだよ? 食事は味を楽しむものなんだから」
「味……か。気にした事はなかったな」
「スウェンって変なところで常識無いよね……」
「……」
思いもよらぬ言葉に若干表情を曇らせるスウェン。するとノック音が部屋に響く。
「デュノア、ベッドに身を隠せ」
「う、うん」
シャルルは男装をしていない為、スウェンに言われたとおりベッドに体を倒し毛布を深くかぶる。スウェンはそれを確認するとドアへと近づき、ドアノブへ手をかける。
「誰だ」
扉を開けるとラウラが部屋の前に立っていた。
「た、隊長、夜分遅くに申し訳ありません!」
「……まだ夕方なのだがな。どうした?」
「え、えっと……その……」
「?」
珍しく吃るラウラを不思議そうに見るスウェン。ラウラは覚悟を決めたかのような表情で
「タッグトーナメント戦についてなのですが、よ、よろしければ私と一緒に出ていただけないでしょうか! 隊長と一緒なら必ず勝てると思うのです」
「すまない」
「え―――?」
「折角の誘いだが俺は織斑と出場することにした」
「お、織斑 一夏と……?」
「ああ。本当にすまないな、またの機会よろしく頼む」
「は、はい……そ、それでは失礼します……」
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