番外編:或る飛龍の物語
或る飛龍の物語《2》
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
LOでもっとも連撃数が多いのは、シャノンのOSSである《ホーリー》。常人にはほぼ不可能な二十三連撃のソードスキルで、本人も『使用できるのはたぶん一日一回』と言わせしめる大技だ。
ちなみにその次に多いのはかつて、今はもういない《絶剣》の異名をとった少女が使っていたソードスキル、《マザーズ・ロザリオ》。十一連撃で、現在は《閃光》アスナが継承している。
その次に強力と言われているのはセモンのOSS、《ソウテン》。9連撃のOSSだが、現在は彼ではなくコハクが使用している。なぜならあのソードスキルは槍スキルで、セモンが彼女のために作り上げたOSSだからだ――――半年前の彼女の誕生日に贈った――――。
そして、ハザードのOSS《エルド・ディゴ》は、OSSでは本来ありえない単発剣技だ。
これはハザードが兄の茅場晶彦と共にスキルやモンスターのデザインをしたため――――実は《太陽剣》のスキルはハザードが考案した、『本来あるはずのないスキル』だった――――、ソードスキルの動き全てを暗記しているからだ。
微妙な打ち込み系ソードスキル同士の動きの誤差を計算し、抽出した唯一無二の動き。
それを圧倒的なスピード、威力で打ち出すこのスキルの完成には二カ月を費やし、このスキルは現在ハザードのスキルの中で最強クラスのものとなっている。
果たして、重厚なOSSは、フレスヴェルグの胴体に突き立った。
「よし!」
しかし直後に、ハザードは今のソードスキルを選択したことを心の底から後悔することになる。
フレスエルグに突き立った刀身。しかし、フレスヴェルグは動じない。むしろ、肉を切らせて骨を断つ、とでも言わんばかりに双のくちばしを開き……
ブレス攻撃を、超至近距離からハザードにブチ込んだ。
「な……」
死亡はしなかったものの、ハザードは大きく空へと舞い上がり――――――――
「なぁああああああああ!?」
アルヴヘイムの大地へと、まっさかさまに落ちて行った。
ここから、この物語が始動する。
ハザードの運命を大きく変える出来事の幕開けだった。
+++
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
或る飛龍の物語
+++
「ぐはぁ!?」
ゴムンッ!!という聞いたこともない様な鈍い音と共に、ハザードは地面の上に落下した。
「痛ぅ……ここは、どこだ?」
あたりを見回す。
今自分が落下していたのは、半ばコケで埋もれた石畳だった。石畳はしばらく先まで続いていた。
あたりは樹木で覆われ、さわさわと涼しげな音を立てていた。
「こんな場所が……ALOにあ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ