[番外編] 背教者ニコラスの逆襲
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のだと。
レプラカーンの少女が、ニコラスさんを強気ににらみつけます。燃えるような、視線。ぞくりとくるような、視線でした。
でもそれでいいのです。
醜悪にカチュアライズされたニコラスさんの姿は、「なにアレ、マジキメェ」といわれるためにあるのですから。
だから、ニコラスさんは、彼女たちの憎悪値をあげるために。
カーディナル・システムの言語モジュールからどくぜつ言語ふぉるをせんたく、擬似音声をごうせいします。
そしてニコラスさんはこう、いいはなちました。
『こいよ――クリスマスノ、負け犬』
ブッゥ――――――ン
「――リズさん。あいつ、なますにしましょう」
――あたしの左前方にいたリーファが言った。
十代の女子にしてはあまりにも物騒かつ、乱暴な言葉だけど、あたしは全力で同意した。 リーファは腰に帯びていた長剣を音高く抜き放つ。
アインクラッドの天井で跳ねた月光が、長剣の側面で反射し凛々しい横顔を映し出す。 きっとあの光が、ヤツのみる最後の光になるはずだ。
「――いえ、リズさん。あいつは、あたしが切り刻みます」
――あたしの右前方にいたシリカが言った。
十代の女子が決して抱いてはいけない殺意をはらむ言葉だけど、あたしは全力で賛同する。
こちらも腰からダガーを抜き放ちニコラスへ向けていた。
普段、コロコロいろんな変化をする愛らしい顔には、彼女のファンが見たら失神間違いなしの氷のような無表情が浮かぶ。
そんな彼女が抜き見の刃を構える姿は、鬼気迫るものがあった。
そして、あたしは。
自分のヘイトが上昇するのを感じていた。
ヘイトの管理? そんなのできるわけない。
胸のなかにあった氷のとげが、ヤツへの怒りで蒸発した。
たまにはこうやって、感情を爆発させないとやってられない。
八つ当たりの対象として、あの気味の悪いサンタクロースはちょうどいい――。
「――絶対にぶっ○す……」
普段絶対に口に出せない言葉が口をついた。
「ぴ、ぴぃ?」
あたしたち三人の気迫に押されたピナがびっくりしていなないた――が、
その主人たるシリカはピナの様子に気がついていないようだ。
燃え上がるような瞳でヤツをにらみつけている。
「……ふがふが」
ヤツが枯れた声で、なにごとか言っている……。
言葉を吐くたびに揺れるヒゲがものすごく腹が立つ。
「プレゼントはぁ……おまえたちのぉ……いの「「「だまれよ」」」」
ああ――キリトには絶対に聞かせられない。
そんなことを心の片隅で思いながらも、あたしたちは乙女の敵を葬るべく、戦闘を開始した
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