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俺がアクマでいいっすか?
#1 良いわけないだろが!
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した途端に儚く散ってしまった。
そして、みるみるうちにあの可愛らしいドレスも光となり、ついには消えてしまう。
その結果、可愛らしい苺柄の下着姿のまま、茫然とファンシースターを構えて佇んでいた。

「そんなバカな!!こんなときに魔力切れかよ!!」

思わず目を逸らす俺。
小さいと言えども女の子は女の子。
下着姿とは言え、見てしまったら言い訳が出来ない。
……見たいのはやまやまだが。

「ちくしょう!これじゃ何にも出来ないじゃないか!」
「……早く身を隠せ。後は俺が何とかする」
「何とかするって、半死人に何が出来るんだよ!」
「半死人だからこそ出来るんだよ。まぁ、もうすぐ半死人じゃなくなるからな」
「は?」

再び俺の発言で唖然とするセツナ。
ピンチって言えばピンチだし、仕方ないか。
ゆっくりと隠すように首に付けていた十字架のチョーカーを外してポケットに仕舞う俺。
このチョーカーは言わば、俺の魔力抑制装置だ。
俺の親元が桁違いな魔力を許容しているため、抑制装置を装着しないと垂れ流しすることになるので、力を欲した余計なアクマが集まってくる。
なので、俺はこのチョーカーをして自分がアクマだということを隠蔽している。

「……安全装置解除(セーフティオフ)。魔力制限解除(リミテッドアウト)。この一瞬で終わらす」

そう呟いた瞬間。
辺りの気温が下がっていく。
俺の周囲に青白いオーラと共に冷気を纏う白い靄が出現する。
すると、血塗れの爪の先端から、次第に真っ白く凍り始めていく。

「な、何が起きてるんだよ……?この感覚って……まさか、コイツもアクマなのか?」

木の影でこちらを見ているセツナはそう呟いた。
一方、狼人間は突然苦しみ、悲鳴を上げながら暴れ始めた。
何が起きてるのか、分からないセツナ。
全てが真っ白な靄に包まれ、狼人間が絶叫しながら大きく背を反った時。
彼を突き刺した爪のある腕が、鋭利な刃物で綺麗に斬り落とされていたように、すっぱりと無くなっていた。

「な!?」

アタシは思わず声を上げてしまった。
もしも彼が本当にアクマなら、同じ種族のアクマを攻撃することはない。
一時的に失った魔力を供給するために共食いすることはあっても、一方的に攻撃するなんて初めてのケースだ。
それよりも人間を食べた方が魔力を供給するには効率が良いのだが。
月光に浮き上がる、白い靄の向こう側のシルエット。
月明かりに反射して、鈍く輝く銀の閃光。
冷風に靡く黒い長髪を、後ろで束ねたあの髪型。
ゆっくりと靄が晴れると、そこには白銀の長刀を携えた、彼の姿があった。
先程の琥珀色の瞳とは思えぬ、青白く輝く眼光、細く伸びる切れ長の目。
ボロボロになった服から見える肌が、やけに魅力的な雰囲気を醸し
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