#1 良いわけないだろが!
[2/7]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
じゃなきゃ、ミスが多くなるし。
……そんな完璧な人間がいるか?
恐らくいないだろうな。
この世の中に、パーフェクトな人間なんていやしない。
人間は皆、どこか欠けている。
完璧な人間を目指して生きているとか、全うな生き方をしているヤツが言う台詞であって、俺みたいな外道には理解できない。
『グルルルルル……』
ルールは守るためにある。
生きている上での常識だろう。
だったらこの地球上にいる全てが、その枠のなかでちゃんと生きているか、と問われればイエスと答えれるなんて到底ムリなわけで、守っている人間なんてほんのわずかだと俺は思う。
もともと自由な人間を縛ろうなんておかしな話さ。
だから権力とかに目が眩み、人殺しとか戦争とか、平気で出来るんだ。
平和を願うとか思うなんて、ただの綺麗事、理想でしかない。
平和が存在すれば、その裏で必ず抗う奴等が出てくる。
結局、鼬ごっこで終わらない。
まぁ、それを言っちゃお仕舞いだが、死んでから分かったような気がする。
ところで、背後から変な呻き声がしたんだけど、気のせいか。
そう思って振り返ろうとした途端。
──グシャッ!!
突然、視界が真っ暗になった。
初めは何が起きたのか、さっぱり分からないが、しばらくしてゆっくりと自分の顔を触ってみて分かった。
顔の輪郭ような形は一切なく、ぬるぬるした液体が、大量に溢れている。
どうやら俺は、何者かに頭を木っ端微塵に潰されたらしい。
いきなり頭を潰されたら、痛いとかそういう感覚はもはや無い。
だって脳ミソは神経の中枢だから痛いとか伝達出来なくなるからな。
普通の人間なら間違いなく即死だろう。
だが、生憎、俺は死なないんだ。
いやいや、それじゃあ語弊があるな。
……俺は、死ねないんだ。
だって俺、アクマですから。
『グオォ?』
どうやら呻き声の主は俺を殺したと思っていたらしい。
頭が無くなっても平然と動いている俺に、心底ビビったらしいな。
ゆっくりと視界が戻ってくる。
夜だから肉体の再生は早いみたいだな。
静かに見上げると、そこには頭が狼で体が人間の、いわゆる狼人間が突っ立っていた。
「はぁ、やっと声が出せる。邪魔なら一声掛けろよ。それとも俺を食おうってか?」
『グオォン!!』
「……そうか。なら止めときな。味の保証はしかねる。あ、そうそう。食われる前に1つ聞きたい」
『グオォ?』
「最近、この辺で多発してる、体の一部しか見つからない猟奇事件の犯人って……もしかしてお前か?」
血塗れで原形をとどめてないだて眼鏡を拾う俺の質問に、急に静かになる狼人間。
最近、この辺で人の体の一部だけ見付かると言う、凄惨で残忍な猟奇事件が多発してる。
その一部は鋭利なモノで八つ裂きにされてい
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ