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俺がアクマでいいっすか?
#1 良いわけないだろが!
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『非日常は意外にも近くにあるものだ』



──そう誰が言った。
日常であり得ないことがあるということにみんな気が付かないだけで、実は非日常っていうのは意外と近くにある。
そう言う意味らしいが、以前の俺ならば聞く耳すら持たないだろう。
……非日常。
つまりは現実では不可能であまりにも度が行き過ぎたり、普通とはかけ離れた現象または状態にあることで、文字通り実際はあり得ないってわけだ。
そもそもそんなことがあることに気付けたヤツがいたら、俺はソイツを天才って呼ぶ。
しかし、一度死んでから生き返って人生が180度変わるなんてこれもあり得るのか?
あ、俺は鈴沢 咲哉(すずさわ さくや)。
1ヶ月前までは夜間学校に通うごく普通の高校生だったのだが、ちょっとした事情があって1回死んだんだ。
いや、殺されたというべきか。
とりあえず一度死んで、何故か生き返って来た。
今度は『人間』と言う真面目な肩書きではなく、『アクマ』と言う非現実的な肩書きで。
まぁ、やりたいことは山ほど残ってたし、このまま早死にするよりは良かったかな、なんて思っている。
……って良いわけないだろがっ!
死んだら死んだで大人しく墓にでも入んなきゃ、仏様に怒られるでしょうが。
なんて内心に突っ込みながら、闇夜に浮かび上がる満月が照らし出す、人気の無い山の中で大きな切り株に腰を下ろしながらタバコを蒸かす。
此処は俺が通う夜間学校の裏にある山だ。
いろんな噂があるおかげで、不気味がって誰も寄り付きはしない。
そのせいもあって一年前ぐらいから俺のベストプレイスになりつつある。
現在の時刻は午前0時。
心地好い夜風が吹き抜けて幾度に、生い茂る草花の葉が擦れる音が静寂に響く。
夜間学校を終えてから、いつも此処に立ち寄っては夜空に浮かび上がる月を見上げ、隠し持っていたタバコを吸う。
あぁ、サイコーだ。
誰にも邪魔されず、好きなだけタバコを吸える。
俺にとっては至福の時だよ。
それが生前も今も変わらず、俺の日課でもある。
巷では丑三つ時と呼ばれ、オバケやら妖怪が活動する時間って言ってたな。


(オバケねぇ……)


あまりにも静かすぎるので、出てもおかしく無いだろうが、出たところでビビりはしない。
もう色んな意味で散々ビビらせられてるからな。
今さら何があっても動じない自信がある。
悟ったんだ、動じるだけ無駄ということに。
いつなんどき、いかに冷静を保てるか。
平常心を保てるか。

『グルルルルル……』

それは、スポーツや仕事にも当てはまる。
どんだけボールを打たれても、明らかに自分が劣勢でも常に平常心を維持する。
冷静に物事を把握して隙をついて反撃し、試合の流れに自分で乗る。
ようはメンタルだな。
そう
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