第12話 子供は遊ぶ時は何時だって本気
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なのに結構上手いねぇ」
「そ、そう?」
「うん! やっぱり卓球はラリーをしている時が一番楽しいからね」
なのはが笑った。不思議と自分も笑っていた。そうだ、自分は遊んでいたのだ。
つい真剣になってしまい忘れがちだったが、実際には遊んでいたのである。
その後は遊びと言うなの真剣勝負がその場で展開されている事は言うに及ばずなのではあった。
互いに一歩も譲らず、激しいまでの勝負が其処にあったのだ。振り放たれる居た。互いに飛びまくる球。
互いの意地と意地をぶつけあう乙女達。これぞ正に温泉宿の醍醐味とも言えた。
「いやいや、言わない言わない」
はい、アルフさんのツッコミでした。
***
卓球を満喫し終わった後は宿内にある格安ゲームコーナーへとやってきた。一部の温泉宿のゲームコーナーは意外と結構安いのも多く、中にはレトロなゲームも置いてあったりするので結構狙い目だったりする。
そんな訳でまず最初に二人が遊ぶ事になったのは皆様も一度は経験した事のあるだろうワニ○ニパ○ックである。ルールは至ってシンプルであり、出て来るワニをハンマーでぶっ叩くと言う極簡単かつ庶民的なルールでもある。
この遊びの発端は遥か海の向こうにあるアフリカ大陸に住んでいると言うパニパニ族と呼ばれる民族が成人の儀式として木槌を片手にワニの群れに突っ込んで行き、その頭を叩く事が発端であり、それが日本に渡り今のゲームになった。
勿論嘘である。とにかく、今からそれで遊ぶ事になったのだ。
「よぉし、ハイスコア狙うぞぉ!」
「うん! 頑張ろうね」
二人してハンマーを手にワニが出て来るのを待つ。フェイトは不退転の思いでハンマーを握り締めていた。先ほどの卓球ではお見苦しい結果となってしまった。次で挽回せねばならない。そう、汚名挽回である!
因みに言うと、正しくは汚名挽回ではなく【汚名返上】である。まぁ、フェイトなので其処は察して欲しい。
とか何とか言ってるとスタートの合図と同時にワニが飛び出してきた。最初から最高レベルな為に続々とワニが出て来る。
「くっ、この! でやあぁぁぁ!」
「はいはいはいはいはいぃぃぃぃ!」
何時しか二人共それに夢中となっておりひたすら出て来るワニを叩きまくる事にしか思考が行かなくなってしまった。だが、その時のフェイトの顔はとても充実した顔になっていたのを、遠目から見ていたアルフは悟っていた。
(あぁ、フェイトがあんなに輝いてる。あの子が来る前はずっと死人みたいな顔してたあのフェイトが……うぅ、嬉しくて涙が出てきちゃうよぉ)
思わずホロリと来てしまったようだ。涙を強引に拭いながら楽しく遊んでいる二人を只じっと遠くから眺めているアルフ。子供同士
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ