第12話 子供は遊ぶ時は何時だって本気
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フェイトでも反応出来るようにと合図を掛けて球を放つ。自分のコートで一回バウンドした後、真ん中に張られたネットを飛び越えてフェイトのコートでバウンドし、そのまま再び場外へと飛び落ちそうになっていく。
今度は見逃すわけにはいかない。
(此処だ!)
落ち行く球目掛けてフェイトは板をやや斜め上にぶつけた。板にぶつかった球がその反動で跳ね返りなのはのコートへと戻って来る。更にスピンが掛かっていたのか不規則な方向へと飛び今度はなのはのコートの外へと落ちていく。
「ほいっとぉ!」
されど、それを苦もなくなのはは打ち返してきた。自分の時と同じように板で球を叩き、その反動で球がフェイトのコートに叩きつけられる。軽い音を立てながらピンポン球がバウンドし再びフェイト目掛けてジャンプしてくる。
「はぁっ!」
今度は横になぎ払う形でそれを打ち返した。コークスクリュー効果により弾丸の様に回転しながら球が再びコートに激突し、跳ね返る。それをなのはもまた同様に跳ね返してきた。
跳ね返った球にはスピンが掛かり、地面に落ちた際の反動により上方へとジャンプする。だが、そのせいで直進の威力は殺されてしまった。今の球はフェイトのまん前で優雅に上昇を続けている。
正しく絶好のチャンスボールであった。
(これなら行ける! これで決めてみせる!)
目の前では板を振り切った為に幼いなのはの体は背中を向けてしまっている。この好機を逃す訳にはいかない。全身全霊の力を板に込める。
フェイトの体から金色のオーラが現れだし、目が輝く。
「いっけぇぇぇぇ!」
怒号を張り上げ、全力全開の力で板を振るった。その威力に答えるかの如く、叩きつけられた球は音速のスピードでコートに激突し、その威力が死ぬ事なく遥か前方へと直進して行った。なのはの板は球とは反対方向にある。どんなに急いでもこの一撃を拾う事は出来ない。
勝負有った! フェイトがそう確信を持てた。だが……
「甘ぁぁぁい!」
今度はなのはが吼えた。それと同時に急遽その場で一回転しだし、回転の力を加えた板が球を直撃したのだ。フェイトが放った全身全霊の力プラスなのはの回転の力が加わった球がマッハの速度で戻って来た。一瞬の内にコートに地をつけた直後、そのまますぐに大空へと羽ばたく。
フェイトの頬を高速で球が掠めた。掠った頬からは微かな痛みと熱さを感じた。
振り返れば、其処には球が壁に少しだけめり込んでいる。凄まじいまでのラリーを行った為か、球からは熱が篭っており、煙が湧き上がっている。その光景を見たフェイトは思わず絶句した。
まさか、魔法を用いずに自分の反射力に追いつく人間が居たとは。その事実にただただ驚愕するだけなのであった。
「いやぁ、フェイトちゃん始めて
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