暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二四幕 「1人より2人、2人より3人、3人より・・・」
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『・・・怖く、ないの?』
『え?』

突然の問いに、訳が分からず聞き返した。気が付けば、逃げたと思っていた簪ちゃんがこちらを見据えていた。

『死ぬのが・・・怖く、ないの?」

・・・何を言ってるのかしらこの子は?怖いよ!一回死んでるとはいえ怖いに決まってるじゃん!?あんなビーム喰らったら骨も残らないよ!ジュッとなってこんがりどころじゃなくなっちゃうよ!・・・と言いたいところだがここは強がっておく。簪ちゃんを不安がらせたくはないし。これでも自分の取るべき行動は分かっているつもりだ。

『・・・ちょい怖いかな?』
『じゃあどうして、そんなに平気な顔を・・・』
『ははっ、買いかぶらないでほしーな?こう見えても足が震えて冷や汗が止まらないんだから』

簪ちゃんが訝しげな顔をしてこちらを見る。暗にウソこけと言わんばかりだ。解せぬ。必死に恐怖を押さえつけてるんだよこちとら!汗?根性で耐えてる!!根性ってすごいね。簪ちゃんは結構ナイーブな子だから、こういう状況で私まで不安そうな顔をしてしまえばその不安を伝染させてしまいかねない。
しかしどうして・・・か。そう言われると答えるのが難しい気がするが、彼女の問いに思う所が無いでもない。ちょっと持論を語りますか・・・久しぶりのマジモードです!

『でもね簪さん。私、こう思うんだ』
『・・・?』
『自分に結果を変える力がなかったとしても・・・だからってそれはずっと震えて怖がってる理由にはならないんだ。人生だってそうでしょ?最後は死んじゃうってのはもう確定事項、どうあがいたって結末は変わらない。だからって“生きててもしょうがない”って皆自殺しちゃうってわけじゃないよね?』
『・・・・・・』

昔、ある人が言っていた言葉だ。人はこの世に生を受けるとき、カミサマと一つだけ契約を交わす。それは、『いつか必ず死を迎えること』。だから人間は生まれながらにして死へと向かっている。
でもだからって人は一々“いつかは死ぬんだぁ〜!”って気にしながら生きているわけではない。なら、それはきっと重要な事じゃないんだ。要は心の持ちよう、自分が“どう生きていたい”か、それこそが重要な事。
つまり極論を言えば人生とは自己満足で出来ているのだ。

『だからさ。私は私に恥じないように・・・私に自分らしさや人としての在り方を教えてくれたモノ達に恥じないようにありたい。だから、私は怖くても強がりを続けたいんだ』

別にこんな所で腰を抜かして小水を零してしまったとしても、周りの人たちはそんなに気にしないだろう。何せこの状況だ。これだけ近くに明確な死のイメージがあると、ひょっとしたら大の大人でもそうなるかもしれない。
でも私はそんなの嫌だ。
だって格好悪いじゃん?怯えても強がっても結果が変わらないなら、わたしは
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