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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二三幕 「今こそ立ち上がれ」
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ールドバリアー越しにでも感じられるほどの熱量が行き場を失い空を貫いた。万が一にでも観客席に当たったら大事だ。ヒットアンドアウェイですぐさま後ろに下がり、鈴と合流すると、アンノウンはしばし動きを止めた。
「・・・こちらが攻撃を仕掛けないときは余り攻めてこない、か・・・あれのパイロットは何考えてるんだ?」
「心なしか動きに人間らしさが感じられないような・・・何ていうか、まるで人が乗ってないみたい・・・」
不気味そうにつぶやく鈴の言葉を聞きながら、ユウは内心で別の事を考えていた。
目的も読めない、倒すことも出来ない。そして攻撃すればするだけこちらのエネルギーは減少する・・・このままではエネルギー切れでこちらが負ける。何か突破口を見つけなければ。
だが、どうやって突破する?
(せめてもう一人、誰かがいれば・・・)
その脳裏に意図せず中学時代からの親友の背中を思い浮かべながらも、ユウは鈴から受け取った双天牙月の片割れを握りしめ再びアンノウンに肉薄した。
= =
一度生まれた葛藤は、瞬く間に私の心を満たしていった。
私だって専用機という力を持っているじゃないか。日本の代表候補生を任されているではないか。でも―――怖い。あのISが怖い。あのISと戦って傷つくのが怖い。もしかしたらこの戦いで死んでしまうかもしれないと思うと、足が竦んだ。
ふと、観客席から真剣なまなざしで戦いを見つめる佐藤さんが目に映る。
佐藤稔。日本の代表候補生の座を自ら蹴った変な人。簪との成績の差は殆ど無く、むしろ類稀なるIS適性の高さがある点では簪の方が劣っているとさえ言えた。だからこそ、彼女がその話を蹴った際にはスパイ疑惑まで浮上したものだ。
そんな彼女は全く逃げるそぶりを見せない。他の観客席にいた子たちは出入り口がロックされている所為で出られずに物陰で怯えているのに、佐藤さんは隠れるどころか戦いから目を逸らそうともしない。彼女は専用ISなどを持っていない。故にもし先ほどのビームが彼女へと向かえば、彼女の命は木の葉よりも簡単に散ることとなるだろう。なのに、彼女の顔に恐怖は無い。
「・・・怖く、ないの?」
『え?』
訊かずにはいられなかった。彼女は力を持っていない。なのに、力を持っている私でさえ怯えているのに―――
「死ぬのが・・・怖く、ないの?」
『・・・ちょい怖いかな?』
「じゃあどうして、そんなに平気な顔を・・・」
『ははっ、買いかぶらないでほしーな?こう見えても足が震えて冷や汗が止まらないんだから』
――嘘。ISのハイパーセンサー相手にそんなごまかしは通用しない。彼女は汗一つ垂らしていないし足も震えていない。彼女はこの状況でも、全く怯えてはいない。
どうして、そんな平気な顔をして立っ
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