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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二二幕 「サプライズ・エンカウント」
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フラグが悉く有耶無耶になっているような気がする。
お?練習が始まったようだ。地上から2メートルほどの高さまで風花がゆっくり上昇する。
人間で言う腰のあたりの幾つかの装甲が小さくスライドし、バシュッ!という小気味のいい音と共にエネルギーを噴出し、それに押されて瞬時にISが2,3メートル横に移動した。あれが話に聞くフィンスラスターのようだ。機体を停止させたユウ君は満足げな表情だ。簪ちゃんも心なしか誇らしげ、鈴ちゃんはスラスターの性能に感心している。
『推力、仰角、制動共に誤差コンマ0,01以下・・・成功』
『うん、きっちりバランスが取れているね』
『そんな小さいスラスターでも意外と推力あるのね?』
ふんふん。そういえばユウ君にそれとなく聞いてみた所、風花というISは加速以外の空中動作が壊滅的に遅いらしい。つまり加速しているとき以外は空中では単なる的になるという事だ。だからこそあのスラスターが必要だったのだろう。
それにしても、と私はユウ君を見つめる。
果たして彼とジョウさんが起点になっているのか将又別の要因か、原作ISと現状は主に人間関係で相違点が多い。
ワンサマーはいつものほほんさんと一緒にベル君と友達になるための作戦を練り続けているし、モッピーは暇なときは剣道に打ち込んでおり、原作で一夏に見せた不器用な乙女心は感じられない。というか彼女の真剣な表情で素振りしている姿は何だか同性まで惹きつけているらしく、おかげで剣道部は見学者が絶えないとか。セッシーはつららさんに付き纏われながらも、所々で精神的に熟成した態度を垣間見せている。2組は詳しくは分からないけどシャルも原作とは随分と違うようだ。この調子だとラウラたんも何か変化が起きているだろう。会長は相変わらずだったけど。
どうしてここまで違いが出ているんだろうか?人物も名前も大体同じなのに、やっていることは私の知っている彼らとあちこち違う。
まるでISの世界の筈なのに、『インフィニット・ストラトス』とは全然違うみたいだ。
パラレルワールド、というやつなのかもしれない、いやそうだろう。もしもこんな人物が居たら、もしもこんなことが起きていたら、もしあの人がこう考えていたら。その大小様々で一見脈絡のない乱雑な分岐が複雑怪奇に絡み合い、違う分岐や新たな分岐をなぞる様に進んでいった結果が今の私が生きるこの世界。
いや、それともひょっとすると―――
「私が思い込んでいるだけで、実は似てるだけの全然違う世界だったりして!そりゃないか・・・・・・って、んん?」
自分で自分の考えに苦笑した佐藤さんは上を見上げ・・・その雲一つない青空にポツンと黒い点があることに気付いた。目を凝らすと飛行機やヘリとは明らかに形状が違う。
その黒点は少しずつ大きくなっていき――
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