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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二二幕 「サプライズ・エンカウント」
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それから数日間メンテ室にこもってひたすら機体の調整をしていたのだ。・・・なお、そんな二人を茶化そうとした者も多くいたが、何故か誰もいないはずの物陰から扇子をパチンと閉じるような音と指の関節がゴキゴキと鳴るような音がしたため近寄らなかったそうだ。
「本当に簪ちゃんには感謝してもしきれないよ・・・今度何かお礼させてよ」
「別にいい。その代わり、弐式の訓練に付き合って・・・」
「そりゃもちろん。でもいいのかい?僕は1組だから君のISの情報を勝手に漏らしちゃうかもよ?」
「ユウは、そんなことしない」
「・・・そう言われると何も言い返せないなぁ、ハハハ・・・」
天使と見紛うほどの眩しい笑顔で返され、思わず苦笑するユウ。
クラス代表を務める簪は、本来ユウの手伝いなどせずクラス対抗戦に備えて自主練習でもしているべき時期だった。それでも訓練時間を削ってユウの手伝いをしたのは、彼が人付き合いの苦手な彼女に学園で出来た初めての友人だったからである。そんな簪の態度にユウは一抹の疑問を覚えずにはいられなかった。
(嬉しいんだけど・・・友達の接し方としてはやりすぎじゃないかな?)
ユウは簪との付き合いはまだ短い。知っているのは共通の悩みがあることとISに詳しい事くらい。誰に対してもそうなのだろうか?いや、彼女の同級生の反応を見る限りそうは思えない。むしろ消極的で内気な子だと聞いている。ひょっとして、人との距離の取り方が分かっていないのだろうか?・・・今度楯無さんに聞いてみよう。
「あれ?ユウじゃない。アンタもISの訓練しに来たの?」
上空からの声に顔を上げると、そこにはISを纏った鈴の姿があった。
韓紅花
(
からくれない
)
色と黒を基調としたその機体、“甲龍”はデザインの細部から力強さが滲み出ている。大型の非固定浮遊部位についている棘も相まって禍々しい印象を受ける機体だ。どうやら馴らしに空中を飛び回っていたようだ。
「ちょっと違うよ、鈴」
「何が違うのよ〜・・・って、その子この前も一緒にいた子よね?アンタ達本当に付き合ってないワケ?」
「そういうのじゃないってば・・・」
年相応にそういうことが気になって仕方がないのか、将又単純に友達を弄りたいだけなのか。多分後者だろう。鈴の中での優先順位は「一夏>>>ジョウ・母親>父親>その他友達←ユウはここ」位の感じだったと思うし。・・・実の父親より兄さんを信頼しているというのもある意味問題だが。
「それはそうと、丁度いいから一緒に訓練しない?アンタのISがどんなものか気になるし」
「・・・・・・」
「・・・あれ、簪ちゃん?」
「・・・・・・好きに、すれば」
(あれ?簪お嬢のご機嫌が急降下してらっしゃる!?)
さっきまでの優しい表情は一変、鈴の方を玩具を取られた子供のような
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