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イーゴリ公
第二幕その一
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を見回していたのだった。
「やはりあれだな」
 彼はその宴の楽しみの中で言うのだった。
「こうした場こそがわしに相応しい」
「全くです」
「我等もまた」
 取り巻き達が彼のその言葉に頷く。
「イーゴリ公はこうした楽しみを知らないのだな」
「はい」
「あの方は何分生真面目な方ですので」
「真面目か。下らないことだ」
 彼はそれを一笑に伏したのだった。彼にとってはそれで終わりであった。

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