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蒼天に掲げて
十三話
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の複数の剣を左の太刀で叩き割り、ついでとばかりに刃の先端のほうで首を斬っていく。その名の通り首の皮一枚で残った賊は、地面に降りると、首が揺れて転がり落ちた。

『後ろから五人、右から三人よ』

 照姫の助言に反応し、両方の太刀を振り回すようにして体を回転させ、竜巻のように賊を吹き飛ばす。

『矢が飛んでくるわ、そのまま前進して』

 いわれた通りに前進し、前で狼狽えている賊を右の太刀で袈裟切りにする。そのまましゃがみ、左の太刀で近くにある賊の膝を斬り飛ばしていく。そして、右の刀身を立て、斬るのではなく打つようにして賊を叩き後ろに飛ばす。飛ばされた賊は降ってくる矢に刺さり、絶叫しながらのたうちまわる。

『さて、それじゃいっぺんに減らしましょ』

「簡単にいうなよ――なッ」

 照姫の言葉に愚痴を零し、両の太刀を使い、賊を一人ずつ突き刺す。そしてそのまま太刀を頭上に振り上げ、賊を飛ばすように太刀を斜め下に振り落とす。弾丸になった賊二人は、右左に分かれて吹き飛び、賊を巻き添えにしながら飛んでいった。

『ちなみに妖術使いがいるのはもう少し前よ。
 左に一人右に二人下に一人後ろに四人』

 なら前進だなと気合を入れ、左の太刀を下の賊に突き刺し、右の太刀で左、右、後ろの賊を胴体から半分に引きちぎる。

 やれやれ、普通ならもうとっくに賊は戦意喪失してるはずなんだがな。

 左の太刀を引き抜き、右と左の太刀を交差させて前進する。

『あれよ、あの黒い装束の男』

 照姫の証言通りの男を発見し、太刀を横振りにして首を狙う。が、するりと綺麗に避けた男は、逃げようとふらふら後退していく。

『あれは奴の視覚に入っちゃダメね。死角からグサリとやっちゃいましょう』

「だから簡単にいってくれるなよ」

 そうはいったが他に方法も分からないので、片方の太刀を使い棒高跳びのように跳躍する。そして装束の男に狙いを定め、上から振り落とすギロチンのごとく首を切断する。

『やればできるじゃない、さすがは私の見込んだ男ね』

「期待に応えられたようでなによりだ。それよりさっき陳留からの軍が見えたみたいなんだが、合流するか」

『ええ、そうしなさい』

「了解」

 俺は左の太刀を取りに戻りながら、軍と合流すべく道を作って駆けていった。






「伝令! 黄巾の賊、撤退していきます!」

「深追いはするな、攻めてくる連中だけ対処しろ!」

 俺が軍と合流し、将らしき人間を発見すると、向こうもこちらに気づいたのか、馬から降りて礼をされた。

「お主が先程黄巾賊を討伐してくれていた者か、礼をいう」

「気にするな、このご時世だ。遅れたのも仕方ないさ」

「いや、それでもだ
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