十三話
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れた。
「ああ、もうすぐそこだよ。今まではたまに畑を荒らすくらいで他に悪さはなかったんだが、なにやら五胡の妖術使いがその連中とつるんだらしくてこの村を襲ってくるんだ……」
『五胡の妖術使い、ね。柏也、これは倒さないといけないわ』
(だろうな)
「ありがとう、それじゃ俺が頑張って討伐してくるから、おっさん達は応援しててくれよ」
「な、あんたもしかして一人でいくっていうのかい? そんな無茶はよせ――」
「はっはっは、俺は無茶なんていわねえよ。まあ見てろっておっさん。軍が来るまで俺が持ち堪えてやるからよ!」
俺は笑いながら門を開け、賊共が群がり近づいてくるのを見てから、一気に前へ駆けだした。
◇
私は現在、陳留から南西の村を目指して行軍している。
今回私が行うことは二つ、賊の討伐と情報収集だ。
最近黄巾を身に着けた賊が多く、華林様も手を焼いている。そして、賊共の首魁は張角らしいのだが、賊の誰もそのことに口を割らないらしく、正体が全くの不明だということだ。
「そろそろ村に着くぞ、皆速度をあげよ!」
私の号令で軍全体の移動速度が速くなる。しかしまあ、今までの黄巾の賊は皆戦わず逃げ回る奴等ばかりだったので、今回も大丈夫だろうと私は思っていたのだが、私の予想は大きく外れることとなった。
そして村の前に着いた時、その光景を見た私は目を疑った。
「……なんだあれは」
それは何者かと激しくやりあっている黄巾賊の姿。
あやつ等は戦わないのではなかったのか? いや、それよりもあの人数相手にたった一人で戦っている者は誰だ!?
私は驚愕に目を見開き、少しばかり呆気にとられていた。
「夏侯淵殿、命令をお願いします」
兵が私にそう伺い、私は正気に戻ると全員に号令をかける。
「総員、賊を討伐するのだ! 抜刀せよ!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
皆が武器を抜き、賊を蹴散らしていくのを眺めながら、私は一人で戦っていた者を見つめ、目を細めた。
◇
「なあ照姫、あれ本当に千人くらいか?」
『そうねえ、大体千二百くらいかしらね』
「予想より多いのか、まあいいけどさ」
『さ、それじゃ補助はしてあげるけど、死なないでよ?』
「わーってるよ。…………よし、行くぞッ!!!」
俺は二本の野太刀を引き抜き、賊の群れに突撃する。
まず最初にぶつかった賊の首を刎ね、右の太刀で奥にいる賊共を突き刺し、振り回す。
その様子に賊共は怯えず、飛びかかるように俺に剣を振ってきた。
バキイイィンッッ!!!!!
そ
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