十二話
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「いえいえー、大丈夫ですよー」
程立がとても大変そうに走るので声をかけたが、本人が大丈夫だといっているので諦める。
と、趙雲が二人の賊に遭遇したようで、甲高い金属と金属がぶつかりあう音が聞こえた。
「この趙子龍にたったの二人など笑わせる。はぁッ!」
だが趙雲の方が強いらしく、賊を二人共吹き飛ばすと、そのまま前進する。
「これならなんとかなりそうですね」
戯志才が安堵のため息を漏らした。どうやら撒けたと思っているようだ。
残念だが戯志才よ、それを人はフラグというんだ。
「趙雲、回り込まれたぞ」
俺は敵の気配を察知して趙雲に伝える。と、そのすぐ後にまた甲高い音が森に響き渡った。
「残念ですが申し訳ない。価値あるものを置いていっていただこうか」
そこには後ろで固まっていたはずの二人がおり、喋ってない方が趙雲に斬りかかっていた。
「悪いがそれはできぬ相談だな。何故ならもうすぐ死ぬお主達に価値のあるものなぞないからだ!」
趙雲が無口な槍男に神速の突きを浴びせる。が、どういうわけか槍男はその突きを次々と避け、連撃を終えた趙雲に反撃すらした。
「その男は私の相棒でしてね。槍に関しては一流以上に強いのですよ」
自慢げに語る男が笑い、俺達を馬鹿にするようにため息を吐く。
「やれやれ、妄言の類はあまり好きではないのですよ私。ですから諦めて金目のものを置いていってください」
その方が良い選択だと思いますよ? と不敵に笑う細目男に、俺は背負っている野太刀を降ろし、投げるようにして細目男に渡す。
「はあ、分かったよ。ほら、落とすなよ?」
「そうそう、それで良いのでうぐッ!?」
「まったく、ちゃんと受け取れよおい。おら、地面に落とすなよ汚れるだろ」
俺の野太刀二本 (百キロ)を受け取った細目男が苦悶の顔を浮かべ倒れ伏せる。
「何故剣二本でこんなに重いのですか!? こんなものを振るうなんてありえないでしょう!?」
「生憎と俺は十の頃からこれを背負っていてな。もう重いなんて感覚はないんだよ」
ぐう! おのれええ! と叫ぶ細目男を尻目に、俺は追ってきた六人の賊を体術で伸していく。
やれやれ、どっちにしても戦わないといけなかったか。
「はっ、せい! でやぁあああ!!」
俺が最後の一人を背負い投げすると同時に、趙雲が目にも止まらぬ速さで突きを放つ。
「っ……」
それを受け流すように回避した槍男に関心し、細目男を踏みつけながら質問する。
「あの槍男は本当に強いな。どっかの将だったのか?」
「ええい、貴様に話すことなど……イタタタタ!! 分かった、分かりました、話すから顔面はやめ
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