十二話
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立てる。
「は!? まさか水浴びで無防備になっている星殿を、その無骨な体で押し倒し、乙女の純情を弄ぼうと――ッぶーーーーーーーーーーーーーーー」
「はーい稟ちゃん、あんまり包帯もないんですから、鼻血出さないでくださいねー」
「フガフゴ」
そして、自爆した戯志才が鼻血を出し、それを程立が手際よく止める。
既に何度か見たことあるが、これから嫌というほど見ることになるんだろうな……
そんなこんなしているうちに、拾ってきた枝に火がつき、捕まえてきた鳥や兎などを捌いて炙る。
「おお、美味しそうですねー」
「塩や山椒があればもっと美味くなるんだがな」
俺と程立が呑気な会話を繰り広げ、そろそろ焼き上がりそうになった頃、川岸のほうから趙雲が帰ってきた。
「おや、なにやら随分豪華ですな。もしやこれだけの量を稲威殿が一人で捕ったのですかな?」
趙雲が濡れた後ろ髪を纏めながら、驚嘆するように目を丸くする。
「ああ、俺も少しは役に立たないといけないからな」
俺が焼いた串肉を趙雲に渡し、味の感想を聞く。
「ふむ、獣臭さがなく食べやすいうえに美味い。野営でこれほどのものが食べれるとは思っておりませんでしたぞ」
「そういってくれりゃ、作ったかいがある」
戯志才を起こして食事にしようと程立にいい、旅の初日にしてはまずまずだと評価しながら、皆で食事をとった。
◆
夜。俺と趙雲が交互に番をとることとなり、今は俺が野良犬や賊を警戒しながら見張りをしている。
『さて、ここで私の出番ね!』
俺が欠伸を噛みしめていると、照姫が念話を飛ばしてきた。
意気揚々と登場した照姫に呆れつつも、眠気覚ましにはちょうどいいと思い相手をすることにした。
(お前っていつ寝てるんだ? こんな時間に起きてるなんて健康的な生活は送ってなさそうだよな)
『そんなことないわよ、私達は複数の世界を管理しないといけないから基本的に寝ることはないの。睡眠欲もないしね』
(ほー、そうなのか。便利なもんだな)
『まあその分大変なことも多いけれどね。あ、そうそう、外れ者について調べた結果がでたわ』
(おお、仕事早いな)
『そうでしょ? だからもっと褒めたらいいわよ? 私は褒めれば伸びる子だから』
(だが断る)
『だからなんでよ!』
(もっとすごいことをしたら褒めてやろう。それまでおあずけだ)
『く、なんて人でなしなの!』
(それで、その外れ者とやらは一体なんなんだ?)
『ああ、そうだったわね。えーと、結果はね、外れ者は未来から来た御遣いらしいわ』
(なんだそれ? 俺と同じ転生した奴ってことか?)
『えー
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