十二話
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(魏と蜀? 聞いたことあるようなないような気がするが、なんだったっけ?)
『馬鹿ねー、魏呉蜀の魏と蜀よ、三国志の二大勢力。ちなみに貴方気づいてないけれど趙雲って武将よ。それもとても有名なね』
(な、なんだってー!?)
じゃあ俺は三国志の武将と旅してるってことか。あれ? でも趙雲って女性だっのか?
『だからいったじゃない、ここは外史の世界なのよ。史実と違って当然なの。それにね、そんな曖昧な記憶じゃこの先役に立たなくなるわよ?』
(そうか、ならいっそ全部白紙に戻して考えるか)
『そっちの方がいいかもね。それに変な外れ者も乱入したみたいだし』
(外れ者? なんだそれ?)
『まだ調べてないからよくは分からないけど、この外史が史実とはかなり違う歴史を辿ることは間違いないなさそうよ』
(そうか、ならまあ自分で考えて行動してみるわ)
『ええ、お願いね。外れ者に関しては分かり次第伝えるわ。それじゃね』
俺が照姫との念話を切ると、ずっと待っていたのだろう、趙雲達が少し怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
「決まりましたかな?」
趙雲が俺を気遣うように聞いてくる。なんだか要らぬところで心配をかけてしまったようで、心の中で謝罪しながら目的地 (?)を告げる。
「地理には詳しくないんで場所まで指定できないんだが、北にいってみたい」
まあ他があるなら遠慮するが、と控えめに答えると、三人共俺の決めた方角でいいといってくれ、俺は頭を下げた。
「それでは北に参りますか」
そして趙雲の一言に俺達は頷き、北へ歩き出した。
◆
やはり覚悟はしていたが、旅というのは野宿が多く、今日は森の中で寝泊りすることとなった。
「それにしてもすごい量ですね、稲威殿」
そして現在、俺は率先して食料調達を申し出て、昔培った森の知識をフル活用して食料をどっさり調達した。
「お兄さん一人でよくこんなに見つけましたねー」
「昔森に住んでたんでな、これくらいは朝飯前だ」
「おお、なら次からはお兄さんに食料を調達してもらえれば安心ですねー」
「任せとけ。それより趙雲はどこにいったんだ?」
戯志才と程立の賛美に謙遜し、先程まで居たはずの趙雲について聞く。
「ああ、趙雲殿なら水浴びをしていますよ」
「あ、そういうことね」
ならいいかと倒木に腰を落とし、火を起こそうと火打石を擦り合わせる。
「そういえば星ちゃんが覗きくらいならしてもいいといってましたよー」
「いいじゃねえか兄ちゃん、ここはいっちょ男を見せてやりな」
隣で程立がいつものぼーっとした口調で趙雲からの伝言を報告し、何故か程立の頭の上にある人形が俺をはやし
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