十話
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風にそういわれて先程の門番達を思い出す、ああ、そういうことか。
「ふむ、つまり我らをこの村に入れて弄ぶつもりというわけか」
「は!? まさかあのような大男が風の幼い身体を弄び――ッぶーーーーーーーーーーー」
「はーい稟ちゃん、トントンしましょうねー」
「フガフゴフガ……」
私の発言により稟が大通りで鼻血を吹く。その光景に野次馬が集まり中々恥ずかしい状況なのだが、風はいつものように稟の鼻血を止めにはいった。
「あと星ちゃんも違いますよー、実はあの人達の目には余裕の表れが見えたんです」
「ほう……」
「なのでたぶん、私達ごときをいれても大丈夫だと判断したのでしょう」
「なるほど、舐められたものだな」
風にそういわれ、ますますその二人組に会いたくなった。
この趙子龍に対し、ごときだと? 是非戦ってみたいではないか!
「あーあ、星ちゃんがやる気出しちゃったじゃないですかー、稟ちゃん」
「私のせいじゃないでしょ風!」
そうして私達は団子屋の店主に領主の居場所を聞き、団子を食べながら領主仕事場にたどり着く。
「失礼、貴公がこの村の領主かな?」
私が最初に入ると、そこには屈強な爺殿が筆で書物を書いていた。そして、こちらを振り向くと、私達の格好を見てからにこやかな笑顔で礼をとった。
「おお、なんじゃ先程村に来なさった旅の者達ですか。ささ、汚いですがこちらへどうぞ」
そういわれ三人共椅子に座り、爺殿の言葉を待った。
「まあくつろいでくだされ、それで、なにをしにここに来たのですかな?」
「はい、私はこの村の発展について聞こうと思いまして」
「私はお爺様の外交の武勇伝をー」
「私はこの村の武人について」
「はっはっは、なるほどのう。ならお主等二人は儂が話そう。もう一人の青い髪の武人の方はしばし待たれい」
爺殿にそう告げられ、私は自分だけ突っぱねられた思いになり、立ち上がろうとすると――
黒髪の、見たこともない大きな武器を二本背負っている男に出会った。
◇
「おいジジイ、俺は旅に出ることにしたぞ」
俺が部屋に入ると、三人の旅人がこちらを見ていた。
『あ、やっちまったわね貴方』
「……こほん、失礼しました――うぐ!?」
「待て柏也、ちょうどお主が来るのを待っておったところじゃ」
ジジイにそういわれ、俺は渋々適当な場所に移動する。
「そこの武人の方がお主と戦いたいと申していてな」
ジジイが見やった武人を見ると、その青髪の武人は目をキラキラと輝かせながらこちらを見ていた。
「…………なんかやだ」
「そういうでない、その者に勝てばお主が旅に出るのを許
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