暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第29話 悲劇
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焦げるかのように走り続けた。その情報はまだ、流していない。だからこそ、引っかかってしまう可能性高いだろう。情報を公開する事が遅れた事に、後悔をしてしまったが、今はそれを嘆いている暇はない。
リュウキは、走り続け、最終的には断末魔の叫びが道しるべになり 最短で駆けつける事が出来た。案の定、その見えない扉が可視化されている。
この部屋に入る為の入口を見つけたのだろう。そして、勿論可視化された扉は固く閉ざされている。この部屋の扉は、トラップが起動してしまえば、内側から開ける事が出来ないのだ。
リュウキは、速度のままに勢いを殺さずに扉を蹴り開けた。
「ッ!!」
飛び入り、見えたのは、キリト達の姿。あの時の、メンバーも一緒にいた。
「うわああああっ!!」
「あああああああ……!」
1人、また1人とモンスターの刃の餌食となって消えて逝く。リュウキは、その姿が青い硝子片になってしまうのを間近で見てしまった。一足遅かったのだ。
そして、もうこの場に残ったのはキリトと槍使いの少女だけだった。
「ッッ!!」
キリトは必死に敵を撃退していたが、その子の距離がありすぎるのが判った。キリトは切り抜ける事が出来ても、彼女にはそれだけの力が無い事にも、気づいた。
それを視た瞬間にリュウキは、もう考えるのをやめた。
素早くメニューウインドウを呼び出す。
ここからの操作、最早ワンミスも赦されない。一瞬のロスも惜しい。リュウキは所持アイテムリストをスクロールし、1つを選び出してオブジェクト化した。片手剣が装備されている欄を叩き、そのアイテムに設定変更。そして、同時に武器スキルスロットの変更も行う。
全ての操作を終えたその時、一瞬だが、身体が左側へバランスを崩しそうになりそうだった、それは、重量が変化した証。……武器が、今までの片手直剣から、重量武器に変更された証だ。
それを実感したリュウキは、眼で確認するよりも先に飛び出した。
「うおおあああああっ!!!!」
雄叫びを上げながら武器を引き抜き、構えた。リュウキが取り出した武器の形状は剣。だが、それはただの剣じゃない。明らかにリュウキの身長よりも刀身が長い。その形状から 日本刀を思わせるが、その刃の長さは倍ではきかない。
その武器の名は。
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天叢雲剣
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リュウキが雄叫びを上げるコンマ数秒前。
「っ!!」
キリトは思わず目を瞑りそうになっていた。目の前の彼女が、死の恐怖に怯え、震えていた彼女が、……その震えを止めてあげたくて、自分が守ると誓った彼女が、敵モンスターに、斬られてしまう瞬間だったから。
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