第23話 序盤でラスボスが出てくるようです
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眠れないのか?」
シュウも眠っていなかった?もしかしたら起こしちゃったのかも。
隣に居ないと聞こえない様な声で、私に話しかけて来る。
「…ごめんなさい、起こしたかしら?」
「いや。……なんか、眠れなくてな。」
シュウも眠れていなかったみたいね。
「…ちょっと、散歩しない?」
「……そうだな。あ、ちょっと待ってくれ。『魂晶憑依≪分身形成≫』」
唱えるとシュウの体がぶれて二重になり、もう一つ体が出て来る。
これは自分の体と全く同じモノを創って、
それに魂の欠片を与える事によりもう一人の創る業、と言っていたわ。
・・・・最早生命の創造なんだけれど、創っているのは『魂を入れれば動くし血も通う死体』で、
魂は創っていない――などなど、裏道があるらしいわ。
私の魂は使っていないから大丈夫とか言っていたけれど、なんだか、ね・・・・。
シュウは魂は創れないし、体が特別なんてモノじゃないから、消費する魔力が
聖剣級の武装の創造より遙かにかかる。
こんな無駄極まりないモノを何故創るかと言うと・・・一重に、シュウの腕に抱き付いて眠る
アリアの為。娘に、嫉妬すら覚えるわね・・・。全く、嫌な女。
「さ、参りましょう。お手をどうぞ、姫様。」
本物の方のシュウがベッドから降りて、手を差し出してくる。
・・・フフ、そんな事言ったら、三人は私に嫉妬するでしょうね。
「ありがとう、褒めて遣わす。……フフフ、結構恥ずかしいわよ。」
「う、うるさい。」
――外に出ると、嵐の前の静けさ、という表現がぴったりだった。
虫も動物も鳴いていなくて、風も吹いていない。
遠くに見える『墓守人の宮殿』は月光が落ち、
昼の不気味さは影もなく、幻想的な雰囲気を醸し出している。
「…ねえ、シュウ。明日、大丈夫よね……?」
思わず私は、3ヵ月くらい前から思っていた不安を口に出してしまう。
『完全なる世界』の事を調べるにつれ、その異様さが分かっていった。
帝国・連合両軍に潜入しているのは概ね予想が付いていたけれど、
戦争に参加している構成員は、両軍の中に百人居るか居ないか。
それなのに、幹部のフェイト・アーウェルンクスが頻繁に戦闘に参加している。
『紅き翼』の様な少数精鋭なのかと思いきや、悪魔も魔獣も使ってくる。
目的も不明確な上、フェイトはシュウを仲間にしたいかの様な言動を繰り返していた。
「フッフフ……、なんて顔してんだよ?そんな顔も好きだけどな。
………ああ、大丈夫だよ。必ず帰って来るから。」
そう言って、いつもよ
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