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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter10「クラナガンでの二人」
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すとルドガーははやての前に立ち彼女の頭に手を乗せ撫でる。
かつてエルを何度も撫で時のようにただ優しく。

自分とはやてが似ていると言った事は素直にそう思ったが、彼女の方が自分よりもずっと強いとルドガーは思っている。あの旅でルドガーと仲間達の分岐点は3つあった……正確には4つであるがこれはあえて省く。一つは兄ユリウスを魂の橋に掛ける時だ。もしあの時一歩ルドガーの決断が鈍っていたら、ルドガーは兄を守る為エルを見捨て、仲間達と決別していただろうし、もう一つはオリジンに願う際に自分の命欲しさにエルを救う選択を選ぶ事ができなかった事があり得たはずだ。可能性から枝分かれした分史世界と同じでルドガーの選択で正史世界の運命と仲間達の運命は大きく変わっていただろう。
撫でるのを止め、左膝のベルトポーチからある物を取り出しはやての首にかける。

「これは……懐中時計?」

はやての首にはルドガーの金色の懐中時計より少し小さい銀色の懐中時計がかけられていた。

「さっき買ったんだよ。俺からのはやてへのプレゼントだ」

「いつの間にこんなん買ったんや……あっ」

思い当たる場面がある。そうだ、あの時だ。あの記者に絡まれた喫茶店でルドガーは少し用事があると言い席を離れていた。その時以外はやてとルドガーは離れて行動はしてはいない。なら必然的にあの時しかルドガーが懐中時計を買う余裕はない。

「そんな…ええのに。これ高かったんやないん?」

その問いに笑顔で首を横に振るルドガーだが、はやての予想通り決して安い物ではない。
何より肝心な懐中時計がその質の良さを磨き抜かれた事により放っている輝きで証明している。
ルドガーの否定が嘘だと思っているはやての前にルドガーが右手を小指だけをはやてに差し出す。

「 ん?」

「俺ははやてが選んだ事に同情もしないし軽蔑もしない。お前は唯自分の意志を貫いただけだからな」

ルドガーのなのは達以外ではやての事情を知った者の中で今までにない言葉をかけられ目を丸くするはやて。

「だからはやて…約束してくれ。君はこれからも自分の成すべき事を貫き通せ。勿論俺もだ」

「あはは……ルドガーは本当変わってるわぁ……ルドガーみたいな男の子は初めて見たよ」

「男の子じゃなくて青年な」


そんな軽口を叩きはやてはルドガーと小指を結び、約束を交わす。


「約束……八神はやてと」

「え、えっと…ルドガー・ウィル・クルスニクは……」

「ちゃんと目を見ろよ。約束は目を見て言うものなんだぞ」

「わ、わかったわ……何か妙にこだわっとるな……」

ルドガーと目を合わせる事に恥ずかしさを憶えてしまった。
約束を交わす時はちゃんと目を見ろと指摘され顔を赤くしながらルドガーと目を合わせる
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