第一部
出会い編
第二話 初日
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「幸村、早速だけど廊下の雑巾がけをしてくれないかしら?」
「雑巾がけでござるか?」
「ええ、そこの縁側の廊下をお願いね。」
「合点承知の助!」
その翌日、博麗殿の慈悲で居候させてもらった俺は早速仕事を頼まれた。
俺は今まで戦いの中で生きていた訳で巫女の仕事など知る由も無いが、清掃ならお館様の言いつけで何度もしていたので問題はない。
「さて始めるとするか!うおおおおおぉぉぉ! 熱血ぅう〜〜〜〜!」
幸村サイドアウト
霊夢サイドイン
『うおおおぉぉぉぉぉ!熱血ぅぅぅううううっ!』
ドタドタドタドタドタドタッ! ドタドタドタドタドタドタッ! ドタドタドタドタドタドタッ!
掃除を彼に頼んだけど……結構五月蝿いわね。向こうにいた時はいつもこうだったのかしら? なんかイメージが崩れたわ……。
「ま、彼に任せてみましょうかね」
この判断が、後々大変な事になるとは思わなかったわ……。
それから1時間後。
「………………………………………………………………………………………………え?」
彼の様子を確かめに来てみたら廊下が光っていた……多分、何度も何度も雑巾がけをしていたらこうなったんでしょうね……でも、どういうこと?
「霊夢殿、言われたとおりに雑巾掛けを終わらせましたぞ!」
「…………ねえ幸村、元いたところではいつもこんな感じ雑巾がけをしていたの?」
「うむ、修行の一環として足腰を鍛えるため、最低でも一日二刻はしていたでござるよ。」
彼の顔を見て聞くとさわやかな顔で返された……。なんで四時間でこんなに綺麗になるのこの廊下!?
恐るべし、真田幸村……いや、そのお館様っていうのが凄いのかな?
この後、彼に境内を箒で掃いてもらうため外に出して、私は光っている縁側で茶を飲むことにした。
それにしても……
「ほんと、つるつるね……滑らない、よね?」
「ハ〜イ、お久しぶり霊夢」
「滑って帰れ……」
「いきなり酷い言われようね。」
つるつるの縁側を触っているといきなり八雲紫がやってきた。
八雲紫(ヤクモ ユカリ)
私達が住む幻想郷最古参の妖怪の一人で賢者と称される最強の大妖怪……なのだが、彼女を知る大抵の人は胡散臭い印象を持つ。
だって何か知ってそうなのに全部しゃべらないうえ、裏が読めない性格に加えて、今のように能力によって“スキマ”と呼ばれる一種の亜空間を出現させて、そこから姿を現す行為も、胡散臭さに拍車をかけている。
そんな胡散臭さ全開な彼女が何しに来たのかしらね、このスキマ妖怪は。
「今日は何の用で来たの? 変な理由なら怒るわよ」
「変じゃないわ……彼についてよ」
「ああ、幸村のこと? 彼が何か?」
「惚けないで。わかっているでしょ、彼の力」
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