第一部
出会い編
第二話 初日
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「……………………」
どうやら彼についてらしい。まあ、彼の力が大きいことは解っているけど。
「そんなに危険かしら?」
「危険も何も、この世界より非常識な存在なのよ! もしかしたら、鬼すらも凌駕する力を持っているわ」
「それ位、私にも解るわよ。そんなに鈍ってないしね」
「だったらなんで彼をここに住まわせるの!」
紫は彼がどれだけこの幻想郷に害するものなのか諭しているみたいだけど……
「そうねぇ……紫、ちょっとこの縁側歩いてみなさいよ」
「……え? なんで?」
「いいからさっさと歩いて!」
「?」
そう言って紫は歩き出した。そしたら案の定……。
「なんで歩かなくちゃキャア!」
ドシンッ!
「やっぱりね、歩くときは気を付けないとね。」
「れ、霊夢。これってどういうこt……フミュ!」
こけた紫は立ち上がろうとするが手を滑らして顔面を打ち付けてしまう。
「その縁側と他の廊下は彼に頼んでね、一時間くらい雑巾掛けしてもらったの。その結果が、これよ」
「ど、どれだけ磨いたのよこれ……ってきゃっ!」
「武器を持たない今の彼にはこれ位しかできない。危険だなんてどこにもない。紫、あんたが危惧する必要は無いわ」
「でもね! 彼の力は強力よ! 聞けば一人で自分の何倍もあろう兵器を崩壊させることなんて容易いみたいだし! 危険よ危険!」
「……」
「ナ、何よ霊夢」
「どこでその話を聞いたが知らないけど……その姿で何言われようとも説得力無いわよ。ククク…アッハハハハ! 駄目、笑っちゃうわ!」
「もう! 笑うことないでしょ! 仕方ないじゃない、滑って立ち上がれないんだから!」
今の八雲紫はうつ伏せになって顔だけをこちらに向けている姿だった。立ち上がろうと手を床に付こうとするがすぐに滑ってしまう。
「と、とにかく! この神社にある“あの槍”だけは彼に知られない事、良いわね」
「フフフ……“あの槍”ね。善処するわ」
“あの槍”…博霊家に代々伝わる神槍の事ね。博麗に生まれた男子が妖怪退治、異変解決に使っていた神槍の事。私の先々代(私の先代、つまり義母の親の世代)から使われることはなくなったらしく、神社の本殿に隠されている。まぁ、ばれることはないと思うけど。
「ま、彼が手にしたとしても悪い事には使わないわね」
「なんでそう言い切れるのよ」
「だって……」
手にした茶を一回口に含み、飲み干して紫の眼を見て断言する。
「彼、悪い事は絶対にしないって私の勘がそう言っているしね」
「………………………そう、わかったわ」
そう言って紫はスキマを作った。
「…信用するのもいいけど、信用し過ぎないようにね。彼は戦国の世に生きた“武将”なんだから」
そういって紫はスキマに潜り、完全に消えていった。
「残念だけど紫
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