暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode2 恐怖の体現
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的に抹殺される。それからもう一つが……ここで消されるかだ。どっちを選ぶ?」

金、抹殺……緊張で冷めた頭が情報を統制していく。

(こいつら、金で雇われた殺し屋みたいなもんか?)

最近、犯罪者(オレンジプレイヤー)が増えていることは知っていた。だが、ほとんどが身を潜めて陰で事を起こしていたため、まさか自分が遭遇することになるとは思っていなかった。

「さぁ、どっちだ?」

少し混乱するのは流暢に英語を喋る方の奴のカーソルがグリーン、つまり通常のプレイヤーのものであること。ガキっぽい奴の方は意識しなかったがしっかりオレンジだ。…ていうかさっき、ガキっぽい奴にガキって言われなかったか、俺?


「お、おい!忘れてるぞ!」
「ん?Oh、そうだったな。そっちの娘は先に渡してくれ」

アカリが強く俺の服の裾を掴んだのが分かる。…頼られているのが分かる。

「カイトさん…」

消え入りそうな声で俺の名前が呼ばれた。

「断る」

気付くとそう答えていた。頭をグルグル巡っていた疑問がスッと消えていく。

「へっへー!カッコイイな、それ!ヘッド、やっぱこいつ俺がヤりたい!」
「いや、ジョニー。仮にも攻略組様だ。お前は下がってろ」
「えー!…ちぇっ、仕方ないな」

ガキっぽい方はジョニーと言うらしい。ガキっぽいジョニーが素直に引き下がるあたり、ポンチョの奴のカリスマ性が垣間見える。

「それにもう一つ答えてもらってないしな」
「…もう分かってるだろ」
「俺分かる!『俺は負けない』とかだろ!」

えらく嬉しそうに騒ぐジョニーを無視し、そのかわり背に腕を伸ばした。

「あのっ、カイトさん…」

不安の増したようなアカリの声。その声に裾を握った手を握り返した。

「大丈夫……守るよ…」

さすがに恥ずかしく、向こうに聞こえない程度の声で囁いた。それでもちゃんとアカリには届いたようで、シャツを掴んで離さなかった手が緩んだ。

一歩前に踏み出しながら剣を抜いた。

「ナメるなよ、こんなんでも攻略組だからな」
「So Bad…。なら仕方ないな」

ポンチョの奴も腰に携えていた得物を引き抜く。

「それじゃあ…It's Show Time!」



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