暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
GGO編
epilogue 得たモノ、思い知ったコト
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きは細目で女性にしては長身だが、羽織った上着の下には確かな膨らみがあるし、ダメージジーンズに包まれた足も間違いなく女性のそれだ。

 「ツカサ、お前……女だったのかよ……」
 「っ! シドさん、それはっ!」

 呆然と言う俺にツカサが悪戯っぽく笑い、その口が答える前に、横から鋭く声が上がった。
 声のほうを見れば、ミオンが眼鏡の奥の目を鋭くして、キツイ視線で俺を睨んでいた。

 訳が分からずに呆然としていると、そんなミオンの肩に置かれたツカサの手が置かれる。そこにどんな意味があったのかは俺には分からなかったが、しかしミオンはツカサのほうに視線を移し、そして顔を伏せた。

 それを困ったように笑ったあと、ツカサは口を開く。

 「んー半分正解、かな? まあ簡単に言えば、性同一性障害。体は女、中身は男、ってわけだよ? ホントはもうちょっと複雑で、体の反応だったりの差はいろいろなんだけどね、まあこれだけ分かっと
けば十分でしょ?」

 そういって笑うツカサの表情は、むこうの世界の優男のシルエットとそっくりだった。

 (そういうことか……)

 確かに、言われてみればミオンはツカサの過剰なスキンシップを嫌がる様子が無かった。あれは恋人同士では無く、女同士故の気楽さだったのか。GGOで俺がツカサの体を触った際の過剰な反応は、異性に突然体を触られた故だったのか。そしてグリドースは、

 「……ふむ。まあ、拙僧は一応、大学内ではツカサの恋人ということになっている。しかし、」
 「オレはぶっちゃけ女の子の方が好きなんだよね? だけどオレ自慢じゃないけど美人だからさ、結構男寄ってくるんだよ。それがめんどくさいから、グリドースに隠れ蓑になってもらっている、ってわけ」
 「ミオンの頼み事でな。まあ、拙僧も今のところおなごに興味は無いので、この話は渡りに船であったから、問題はないのだ」

 なぜか視線で俺の問いかけを読んだグリドースが応える。続いて浮かんだ「坊さん彼女持っていいのかよ破戒僧」の疑問も、「拙僧の宗派では妻帯も許されておる」と返される。俺の心はそんなに読みやすいのか。

 「むねくん……グリドースは、大学では結構人気者……というか、人生相談に行く子が多いんです。すごく聞き上手で、なんとなく心情も察してくれるし、いろいろ力になってくれて。だから私の相談の時にもいろいろ助けてくれたんです」
 「ミオンはツカサの中学からの親友だそうでな。そして彼女は、RTS(リアルタイムストラテジー)の天才だ。それを生かして、ゲームの中だけでもツカサを「男の子」させてやろう、と相成ったというわけだ」
 「ミオンのミリオタは半端じゃないよ? 部屋とかすっごいんだから」
 「もうっ。ツカサったら!」

 すらすらと、話す三人。だ
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