GGO編
episode2 音無き決戦2
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!!!」
「―――ッ!」
鋭く突き出された右手は、過たずザザの胸……そこに装着された、《対光学兵器反射フィールド展開アーマー》の本体を、しっかりと貫いた。ガラス製のその表面に無数の罅が入り、ガシャリ、と音をたてて微かな煙を巻き上げる。壊れた。脆い発生装置とはいえ俺の《体術》で削りきれるかは不安だったが、なんとか破壊出来た。
やった。
俺の口元に、満足の笑みが浮かんで。
「……」
想像を絶する衝撃が、俺の体の中央を派手に貫いた。
零距離で放たれた、大型狙撃銃の一撃。その強烈なエネルギーは、当然の様に俺のHPを一瞬で吹き飛ばし、俺の体は制御を離れてまるでマネキンの様に砂漠に転がった。だが、その姿を無様だとは、俺は思わなかった。
◆
「……」
ザザが、無言のままこちらへと歩いてくる。
もう必要ないのか、マントは剥ぎ取ってその不気味な体を見せつけて。
「……フン。死に際に、しては、頑張った、方だな、『旋風』。……これで、俺の、切り札を、潰した、つもりか?」
(ああ、そうだ。これで、てめーは終わりだ)
ぎりぎりに映る視界で、その右手が動いて腰の黒い拳銃を抜き放った。
「……こんな、物は、保険に、過ぎない。……残念、だったな。本当の、切り札は、この銃の、下にある。あんな、腐った、『黒の剣士』など、敵では、無い。……どうせ、あいつには、この銃だけでも、充分だろう、がな」
(は。これさえなければ、キリトは絶対負けねえよ。それに、その拳銃が向くのが俺なら、問題は無いさ。どうせこの後、すぐにキリトが片付けてくれる)
ゆっくりと見せつける様に、銃口を倒れた俺の目の前に向ける。
「……くく。お前は、またの機会に、殺してやる。今日の、最後の、獲物は、『冥界の女神』、だ」
(ははっ。それならなおさら心配いらねえや。衛星サーチ見てんのか? あの『冥界の女神』のボディガードに、誰が付いてると思ってんだよ)
言い終わって満足したのか、再び拳銃をホルスターにしまう死銃を、動かない体で見つめる。
ゆっくりとマントを翻して、その体を消す、その直前。
「……キサマも、見ていろ。俺が、『黒の剣士』を、倒して、『冥界の女神』を、殺すところを、な」
最後の捨てゼリフを残して、今度こそ奴は俺の視界から消え失せた。
(……終わった、のか……)
極度の集中のあとの、お馴染みのブラックアウトが迫ってくる。
その直前、俺の死後……この後の、起こるであろう戦いに思いを馳せる。
それは、俺のような脇役の関与できない、『勇者』と『魔王』の戦い。
その懐かしい『勇者』の顔を思い浮かべて。
(頼むぜ、『黒の剣士』……いや、『勇
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