GGO編
episode2 赤い目と、空色の夢2
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こと夢を見ていたようだったが、まだ俺がこうして生きているところを見るに意識を失っていた時間はほんの数秒だったらしい。だが、数秒もあれば当然大きな隙になることは違いない。
「っ、とっ!!!」
一瞬遅かったら、危なかった。
危ないところで掠めた弾丸が、俺の隠れていたサボテンを一息に吹き飛ばした。
凄まじい威力は、恐らくあの《ヘカート》に勝るとも劣らない大口径の狙撃銃のそれだろう。
まともに喰らえば、間違いなく一撃死。
(……まあ、だからって、恐れることなんて無いんだがな)
なぜなら俺はかつてあの世界で、いつだってこの「一撃喰らえば死ぬ」世界で生きてきた。思い出せ。今更何を恐れる必要がある? あの世界での誇り高い戦いの全ては、この死線に劣るものだったのか? そうではないだろう。
両腕をだらりと下げての、疾走。その手に、武器は無い。
しかし、向こうの世界ではいつだってそうだった。それに、俺の攻撃では装甲を貫けないような戦闘に参加したことだって何度もある。その時に比べれば、こちらは打撃でダメージが僅かとはいえしっかりと通ることを知っている。
それは、勝機。
「おおおおッ!!!」
高々と吠えての、疾走。
勝機があるのなら……いや、たとえ勝機が無くても。
俺はもう二度と、無様な姿を見せはしない。
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