GGO編
episode2 死の銃と布良星3
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には、自信がある。特に今俺の手には、拳銃がある。持っているだけで鼓動が落ち着き、感覚がクリアになる。ナーヴギアでログインしているというだけでなく、まるで魂が研ぎ澄まされていくような感覚。これなら、砂につく遠くの足跡も、微小な足音も、見逃すことは無いだろう。
右手の《カノープス》に新たなエネルギーパックを装填しながら、疾走。
続いて、腰のポーチからすぐに使えるよう、一つ選んで取り出す。今なら、目晦ましの閃光弾か。
準備は、万端。
足音を極限まで消した体は、飛ぶように砂地を駆け抜けた。
◆
その場に辿り着いていた時、一瞬安堵した。
倒れた死体が、まだあったからだ。つまり、コイツはまだ生きている。
そして、その死体以外……「奴」の足跡は、ない。
「ちっ、ハズレか……」
コイツは奴の「殺し」の獲物では、なかった。
……その、一瞬の舌打ち。
本来なら油断とも言えない様な、一瞬の隙。
俺自身さえも、それを油断だと……あるいは隙だとは思わなかった。
だが、奴にはその一瞬に、奴だけに見える隙をみたのだろう。
足の止まった、一秒の、半分のそのまた半分ほどの時間。
その、僅かの間隙に。
「っ!!?」
俺の爆薬入りポーチが、音のない狙撃に貫かれた。
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