GGO編
episode2 死の銃と布良星2
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
カサもアレを見せつけられては、笑い飛ばすことは出来ないのだろう、難しい表情でつぶやく。流石に奴のセリフ通り「殺した」とは思えなくても、一撃で相手をゲームオーバーさせる力を持っているのは確かだ。いくらツカサでも、出来るかもしれないが簡単にはいかないだろう。
だが。
「でも、あの、姿を消したマント。……間違いなく、オレ達の売った、『光歪曲迷彩』だよね? ……だったら、オレは、それを売った『血塗れ雑技団』の一員として、アイツを止めなきゃいけない、とも、思うんだ……」
あの、姿を消すマント。あれが厄介……というか、最悪だ。
あの黒い銃……噂では、《デス・ガン》というらしいが……は、実弾系のハンドガン。決して射程も連射速度も上位のものではなく、普通に戦えば一発も当たらずに勝つことも可能かもしれない。しかしこの場で、あの「透明化マント」と組み合わされると非常に厄介だ。
いくら俺が《索敵》や《聴音》で探っても、無音で潜伏されればファーストアタックが奪われる危険度は高かろう。組み合わせは絶妙に最悪と言える。そしてその原因ともいえる「透明化マント」を売ったのは、俺たちなのだ。
(……ツカサが責任感じるのも無理はねえ、な)
じっとこちらを見つめるツカサの瞳を、見返す。
コイツに、引く気はないだろう。
「……アイツの力は、得体が知れないのはわかってる。……でも、オレは、」
「……ツカサ、《カノープス》は持って来てるな?」
「ああ、勿論!」
優男らしくぱっと表情を明るくしたツカサが、ストレージから美しい赤色に輝く、長い銃身を持った俺の愛銃、《カノープス コンバットカスタム》を取り出す。ミオンに依頼した通り、狩りに出た前回より更に諸々に強化されて、なんと三点バースト射撃機能すらついている。
嬉々として……或いは、誇らしげにそれを差し出すツカサ。
俺はそんなツカサの目を真直ぐに見ながら、それを受け取って。
「よろし、く、え……?」
その先端に取り付けられた二十センチほどの刃で、ツカサの胸の中心を貫いた。
呆けたツカサの声を聞き流して、バレルから突き出したナイフでその体を貫いたままにトリガーを引き絞る。連続して三度生じる、ロングバレルでの消音効果を受けたかすかな発射音。同時に感じる、軽めのリコイルショック。
既に胸のナイフによって凄まじい勢いで減少していたツカサのHPは、その連撃で零となった。ずり落ちたツカサの黒眼鏡の奥の目が、驚愕に……もっと言えば、「理解できない」というように、見開かれ。
「ら、ラッシー……? な、なん、で……?」
「悪いな。……賞金は、お前に譲るからよ」
がっくりと、俺にもたれかかる様に脱力した。
その体を支えて、そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ