GGO編
episode2 死の銃と布良星
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まで隠れられる所、見つけられるかな?」
「りょーかい」
指示に応えて、すぐさま周囲を探る。敵影の無いことを確認、そして発見時の逃走ルートを探って、最適な場所を選びだす。この重度倒壊地帯、隠れる場所には事欠かないし、なにより慣れた動作だ。すぐさまベストポジションを見つけて、二人で潜伏。
ツカサの腕を掴んで、奥へと押し込も……
「う、うわっ!」
「は? なにが「うわ」だ、さっさと入れ。お前《索敵》出来ねえだろ、奥に隠れろ」
……う、として、何やら超反応したツカサを四の五の言わさず蹴り込む。
潜伏中は、俺の腕の見せ所だ。逆にツカサは居てもしょうがないので、奥に引っ込んで貰うのが安全。すぐに双眼鏡で見まわし、再度安全確認。茂みからの銃口の一本も無いことを確かめる。うん、今回もツカサの判断は正解だったようで、しばらくは隠れられそうだ。
正解だった。それが、勝つためなら。
ただしその判断が、「本当に正しかったのか」は、俺には……いや、誰にも分からなかっただろう。
向かっていれば一人の命を助けられたかも、など、分かるはずもなかったのだから。
◆
五分。本来ならあっという間に過ぎるはずの時間が、潜伏するとなるとその時間は何倍にも引き延ばされて感じる。緊張感によるコンセントレーションが体感時間が極限まで減速した今なら、たとえ五十メートル先に針が一本落ちた音だって気付けるような気がする。
「っと、五分だね? じゃあ、行こう」
「一気に行くか? こっそり行くか?」
「んー、こっそり、だね」
確認を取るのは、移動中の狙撃に気を付けるためだ。パターンは二つ、周囲に気を付けてゆっくりと進むか、狙撃の狙いさえ付けさせずに一気に駆け抜けるか。俺としては、どちらかと言えば一気に行った方が楽だ。AGI極型は疾走中が一番安全、先読みに気を付けて走れば、《索敵》しながら行くよりも安全に、速く到着できる……のだが。
(今回は、こっそり行くわけだ)
ツカサがそう指示するなら、逆らう理由は無い。確かに五分という中途半端な時間では爆音に集まった面々の戦闘が終わったとは限らないし、それを狙った遠・中距離型の連中もまだ張っている可能性もある。間違った判断では無い……まあ、どっちが正しいかとは一概には言えない、というのが正しい。
そしてもう一つ、俺の中の「危険を察知する本能的な勘」が、急ぐべきではないと告げていた。もっともこちらは何の裏付けも無い、単なる経験則なのだが。
(……ま、その経験は、命がけで二年磨いたモンだがな……)
無言で頷いて、慎重に歩き出す。この重度倒壊地域では流石に足音を全く立てないのは無理だが、それでも出来る限り気配を消して進んでいく。ツカ
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