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ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
GGO編
interlude 顔知らぬ人へ2
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だ。生まれた俺が(自分で言うのもなんだが)それなりにまっとうに生きていることをみるに、多分親父もそれなりの人物だったのだろう。

 だが、玄路伯父さんから聞いた話は、そんな俺の予想の斜め上を行くものだった。

 ―――朱春がキミの親父さんを『四神守』の家に連れて来た時、当然親父はその素性を徹底的に調べ上げたんだよ。……ああ、表向きは「名家たる『四神守』の家に、どこの馬の骨かもわからん男を迎え入れることは出来ん!」ってだったけど、裏は模擬戦であそこまで親父を追い詰めた男の正体が気になったんだろうねえ? なにせモデルガン一本での接近戦で、あの親父と張りあったんだから。

 全くあの人は、聞きたくも無い様な事をべらべらと喋る人だ。

 ―――調べられた結果は、「一切不明」「隠蔽された情報のみ」。……まあでも、この段階で分かっちゃうのさ。この『四神守』の諜報部の力を以てしても調べられないってことは、恐らくは相当な秘匿事項……特殊工作兵だったり、特務部隊員だったり……この国だと、『特戦』とかかなあ? そういう出身ってコト。そりゃあ親父も娘を遣りたくは無かったろうさ。

 聞きたく、無かったことを。

 ―――そして生まれた、キミ。訓練場でのあの構え……親父さんと同じ構えを見て、ボクは確信したよ? キミには親父さんの血が脈々と流れている。それならきっと、GGO……銃器の扱いだって体が覚えているはずさ。キミの……キミだけの、「天賦の才」としてね。

 一度聞いてしまえば、聞かなかったことには出来ないことを。





 「……僕の専門分野を……知っているかな……?」

 固まった俺に、話を転換するように立ち上がった呼白さんが続ける。
 霧の向こうから聞こえる様な声が、やけに耳元に纏わりつく。

 「……一概に言われる……『専門』と呼べるような分野を……僕は有していない……それでもしいて言うなら……光遺伝学を始めとする遺伝学系統……或いは文化人類学的な側面もあるか……それに五年ほど前は……プログラミングや知能情報学にのめり込んでいたこともあったか……」

 ギシリと立ちあがったまま、ふらふらと本の森を歩きながら、訥々と語る。その声は、まるでエコーでもかけられたかのように広い研究室内に反響し、それが集まるように収束して俺の頭をピリピリとひりつかせる。

 「……僕の求めるのは、人の生きた証……今で言うなら《フラクトライト》……量子脳力学……いや、専門用語で言っても流石に通じないか……そうだな……君にも通じるような……俗世的に言うのなら……」

 一端言葉を区切って、こちらに向き直ると同時に独特の色合いをした瞳で真っ直ぐにこちらを捕える。そのあまりの迫力に俺の背筋に冷たいものが走った。言っていることは何一つ分からな
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