GGO編
interlude 顔知らぬ人へ
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俺も、それに相対して腰掛ける。
その体制は、あたかも面接の様な有様だ。そう、何せこの人は。
「……では……聞こうか……君は……あのGGOでの銃器戦闘……どう思う……?」
この国でも上位に位置する大学の教授職に、三十半ばにして登りつめた天才学者なのだから。
◆
「なあ、チビソラ」
「なーにっ? シドくんっ?」
ALO……妖精の世界と呼ばれるこの美しい世界に入った俺は、ホームで愛用している揺り椅子の背もたれをゆすりながら、俺の相方へと呼びかけた。返事は、頭の上から。燈赤色の髪の毛の枕が偉く気に入ったらしい人工知能の小型妖精は、声に応えてぺちぺちと俺の頭を叩く。
「……お前さぁ、記憶ってどうなってる?」
「ほえっ? 記憶っ? めもりーっ?」
「ああ」
唐突な問いに、チビソラがアホっぽい声を上げる。ってか、人工知能って驚くってことまで出来るのか。すげえな、茅場。いや、鋳型になったソラがすごいのか?
実に妖精らしい動作で俺の頭からふわりと飛び立ったチビソラが、俺の目の前をひらひらと飛び回る。その距離、五十センチってところか。相変わらずこのチビ介は距離が近い。そういえばGGOを始めてから、目測の距離を測るのが実にうまくなった。その五十センチ先で、チビソラが「うーん?」と記憶を探って応える。
「うーんっ、記憶っ、ねーっ……。一応私はシドくんのアミュスフィアのメインメモリに入ってて、そこにデータで保存されてー、って感じなはずだよっ?」
「それで全部保存できんのか? 記憶ってのは、そんなにデータ量として少ないのか? なんか他の場所に保存されたり、とか、バックアップがあったりとか、ないのか?」
「んーっ……」
矢継ぎ早な質問に、チビソラが困ったように首を傾げる。
その眉は、しっかりハの字だ。
「……あんまり詳しくは分かんないやっ。……それにしても、どうして突然そんなコト聞きたくなったのかなっ?」
結局誤魔化され、今度はあちらからの質問を返される。
その質問に俺は。
「……今度の、BoB大会が関係しているのかなっ? それとも、『彼女』のコトかなっ?」
「…すげえな。正解だよ、どっちも」
あまりの正確さに、苦笑することしかできなかった。
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