GGO編
episode1 風を受けて3
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本《・》の赤い光。
それをみて、魔鎖夜の目が見開かれる。
放たれる、ショットガンの轟音。
砕け散る、グリドースの体。確かに見えた、口元の笑み。
そして。
「っ、ガッは!!!」
弾丸は、魔鎖夜の体を捉えて、そのアーマーを砕いた。
散弾の威力では無い。ただのショットガンなら、この耐弾アーマーを貫くなんて出来やしない。
彼は失念していた。ショットガンは、その込める弾によって様々な種類に分けられることを。一般的な十二発に割れる散弾、三十以上の数に分かれて小威力で広範囲を撃つバードショット、熊などの大型の獣に用いる六発散弾、そしてもう一つ。
ショットガンの威力を全て一発に込める、必殺の弾。
飛来したスラッグ弾は、魔鎖夜の体を綺麗に吹き飛ばし。
「なっ!」「魔鎖夜!」
「心配している暇は無いよ!?君らの相手は、こっちだ!」
上から跳びかかってきたツカサの光線銃が、二人を一気にメッタ撃ちにした。
◆
「おおおお!」
(……っ、くそっ!)
重機関銃の激しい唸り声に、頭の中で俺は舌打ちした。その圧倒的な火力を相手にする時のセオリーは、中距離以上の間合いを保って立ち止まらずにその標的を撃ち続けること。だが、《カノープス》をミオンに預けっぱなしな俺には、中距離を保っての攻撃は不可能。よって、接近するしかない。
しかない、のだが。
「っ、反則だろ、これはっ!」
その機関銃の乱射は、俺の予想の更に上だった。切れるはずのない息を荒くしながらなんとか岩陰に転がり込むが、いつまでもこうしてはいられない。俺の役目は、重機関銃の惹きつけだ。このまま隠れていては、リッチーは後ろの他メンバーを狙うだろう。
(だが、接近するのも、なあ……!)
左右に、上に、必死に飛び回って回避するものの、残り三十メートルがどうしても詰められない。しっかりと三脚で支えられている割に可動性がいいせいで、上に全力で跳んでもしっかりと追随してきやがる。それをかわすには。
(……真上まで飛べりゃあ、狙えないだろうが、な……)
そう、真上。
三脚に固定されたあの銃では、真上までは射角がとれない。とれない、が、今の俺はALOと違って羽もなければ、ツカサのような大ジャンプを可能にするほどのSTR値もない。どうする。考えろ。考えろ。今の俺にあるのは。今の俺の力は。
(……そうだ。俺は)
思いつく策が、たったひとつだけあった。
◆
岩陰から跳び出したD−ラッシーを見て、リッチーはその体に射線を向けた。
「……」
洞窟から出てきた時の最初の乱射こそ外したものの彼の腕は本物であり、この三十メート
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