GGO編
episode1 風を受けて2
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かな……)
それをみて、シノンは思う。
自分はそこまで自分に自信を持てるだろうか、と。すぐに出る答えは、ノーだ。今の弱気な……心に傷を抱えた弱い自分では、到底そこまで辿り着くことは出来ないだろう。しかし、そんなままでは、傷を乗り越えるために強くなることもできない。
「……グリドースは、右に特攻で。優先目標は、『魔鎖夜』。あの《反射光学防御フィールド》持ちを潰すことを最優先で動いてください。贅沢は言いません、彼だけ潰して頂ければ十分です。……逆に言えば、彼だけは絶対に倒してください。……こちらの実弾銃使いはグリドース一人です。なんとしてでも、」
「了解。見事に刺し違えてご覧にいれようぞ」
「……ラッシーは、」
『奥に特攻、ねえ……正直、自信は無えが、やってみますか』
「はい。なんとかお願いします。……正直、奥まで戦力は裂けません。重機関銃を惹きつけて、撃破してください」
『りょーかい』
次の指示も、更にシノンを驚かせた。
(……今、ミオンは二人に、「死ね」といった。……そして、二人はそれを当然に受け止めた)
この戦況では、自分が命をかけて敵を倒すのが当然と思える、強さ。
そして、それを当然として、仲間に向かって「死ね」と言えるだけの強さ。
それぞれが、自分の信念を貫けるだけの、シノンの求め続ける強さ。
「そしてシノンさん、私のバックパックに今日ドロップしたアサルトライフルがあったはずです。予備の弾も無いから長くは使えないでしょうが、光学銃よりはマシでしょう。突然の指示には躊躇うでしょうし、シノンさんの裁量で撃って構いません。出来れば左最優先、次に奥でお願いします」
「……了解」
頷く声に、何を感じ取ったのか。
ミオンはこちらにその切れ長の目を向けるて、一言。
「私達雑技団の方針は、『最後まで銃を向けたまま、男らしく銃口に向かって死んで見せろ』、です。どんな世界でもそう生きていくということは出来ないですが、この銃と硝煙の世界でくらい、強くありたいではないですか。そうでしょう?」
その言葉は、シノンの心に長いこと残る強さを持っていた。
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