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ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
GGO編
episode1 銃声と硝煙の宴3
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 (おーおー。流石はミオンが見込んだだけあるわ。たった二発であのピーキーな大型光学スナイパーライフル、《礼賛(ライサン)Y》を使いこなすとはな……)

 飛びかかる小グモ(といってもその足を広げた体は直径ゆうに一メートル、現実にいれば立派な怪物グモだが)を掠るような距離で回避しながら、遺跡奥の親グモの目玉……敵の弱点である体側面の目玉をレーザーの光線が鋭く貫いたのを見届けて、俺は小さく口笛を鳴らした。

 一撃の威力と精度を重視した大型光学レーザーライフル、《ライトニング・サンダーレイ》シリーズ。往年の大作FPSゲームの最強の狙撃銃にあやかって《礼賛》と称されるこの武器最大の特徴は、やはりその一撃の威力と弾速、正確さだ(と、ミオンから聞いた)。セミオートライフルのように連射が効かない分、長い射程での一撃必殺を狙うにはちょうど良く、つまりは最も「スナイパーらしい狙撃銃」というわけだ。

 「やるねぇ、って、っと!!!」

 っと、危ない危ない。

 思わず感嘆していたら、同時に跳びかかってきた小グモの軌道を読み切れていなかった。小さく円を描く軌道で走り回って小グモを惹きつけながらも、その派手な跳躍は余裕を持ってかわしているつもりだったが、また紙一重だ。全く、これじゃあ、いつまでもはかわせないな。

 そもそもSAO時代、俺はこんなぎりぎりの見切りでMobの攻撃をかわすような戦い方はしていなかったのだ。いくら《聴音》や《見切り》が使えると言っても、その練度はあのバケモノ『攻略組』連中に比べれば格段に劣るだろう。

 「こちら『D』。今惹きつけている小グモは四十強、全体の九割ってとこか。そろそろ手榴弾を許可してくれよ、これじゃもたねえぜ」

 『あと二十秒持ちこたえてください。そこで《プララン》をそこに向けて撃ちます。そのあとは一気に出口へ走って時限爆弾を設置、退避してください』

 (……おいおい、マジかよ)

 聞こえるミオンからの指示に、苦笑する。

 (まったく、あの「雑技団」の天才女司令塔殿は、どうにも俺のことを過大評価し過ぎているような気がするがなあ……)

 確かにこのGGOでは、スクリーン内の自機ユニットを操作するタイプの昔のゲームと違って、プレイヤーの回避能力と度胸が十分に備わっていれば「すぐそこの敵の攻撃を回避する」というのは決して不可能ではない。ではないが、それでも小グモ四十匹を相手にかわし続けろというのは、どう考えてもおかしいだろうとは言いたくなる。もともとは数十メートルや百メートル単位の距離で撃ち合うゲームなのだ、SAOやALOの雑魚Mobとは通常攻撃のスピードの桁が違う。

 (だがまあ、狙いが悪いわけじゃ、ないんだよな……)

 しかし、悔しいことにこの策は実際のところかなり有用
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