第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第33話:もろばれ
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「ところで……何で俺がリューノに手を出したって判ったんですか? リューノの雰囲気が変わった事については理解しましたが、手を出したのが俺だとは限らないでしょう! 共に旅立った別の男が、危険を共有し心を惹かれ合ったかもしれないじゃないですか!?」
「うん。その可能性は否定できないね。だからリューノを最初に見たときは、あの娘の変化にしか気付かなかった……でもね、その後でお前があり得ない行動をしてきただろ。『パパ〜ん』とか言って抱き付こうとしてきただろ! あれで悟ったね……コイツがリューノに手を出したのかって」
くっそ〜……
罪悪感から行った行動が裏目に出るとは思わなかった。
正面からまともにリュカさんと対峙できなかったから、思わず取った行動だったのに……
相変わらず目敏すぎる!
「それに……」
え!?
まだ何かあるのか?
「それに、リューノは元からお前に恋心を抱いてたし……普段はマリーが居るから押さえ込んでいたみたいだけど、状況が変わりマリーも側に居なくなって、我慢する事が出来なかったんだろうと、簡単に予測出来た」
か、敵わない……
俺は告白されるまで、リューノの気持ちには気付かなかったのに……
初めから打ち明けるつもりだったが、何も言わないうちに悟られるのは……
「……で、マリーには何て説明するの? それとも黙って二股フィーバー?」
「何ですかフィーバーって!? マリーに隠し事をする気はありません。ちゃんと説明して解ってもらうつもりですよ。ただ、何と言えば良いのか……」
「二股は止めないのね?」
「父親としてそれは怒りますか?」
楽しそうに問いかけるリュカさんを、申し訳なく見上げる俺。
「その件について怒る事が出来ると思いますか、僕に? 愛人が沢山居て、子供も複数居る僕に怒る権利があると思いますか?」
「いいえ、正直言ってこの件でリュカさんに怒られるのは不本意です。ですが二人ともリュカさんの娘ですし……」
「うん。二人とも僕の大切な娘だね。だから、泣かす事は許さないよ……不幸にする事は絶対に許さないよ! 二股だろうが三股だろうが、娘達を幸せに出来るのなら僕は何でも構わないよ」
父親の台詞として『二股も三股もOK』ってのはどうなの?
でもまぁ、リュカさんは怒らないと思っていた……あとはマリーの説得だ。こっちの方がよっぽど重要だよなぁ……
「マ、マリーが怒らない説得方法って何ですかね?」
「僕に聞くなよ……今やマリーの事なら親以上に詳しいウルフ君だろ? でも一つだけ言える事があるとすれば……話す前にマホカンタだけは唱えておけよ(笑)」
だよねー!
こんな事をリュカさんに相談しても結論は出ないよねー!
良かったマホカンタを覚えておいて!!
ウルフSI
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