GGO編
episode1 銃声と硝煙の宴
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『こちら『D』。やっぱドーム奥のはヤバいわ。数からして多分、親グモがいるなこりゃ。潰さなきゃ小グモは無限湧きだ』
ラッシーは、法外なことにもう既にドームに突入していた。本来はあの二体の機械兵はどう考えても突入と同時に襲いかかってくるシステムのはずなのだが、その《索敵》を無効化するほどの隠密行動技術。さらにはその洞窟の向こう、出口を塞ぐ山となった瓦礫の向こうの敵を、種類まで特定する索敵能力。
(コンバート、って聞いたけど、何のゲームやればこんなスキル技術が身につくのよ……)
そして。
「では参ります。巡回ペースから計算して、十八秒後に機甲兵二体が同時に『K』の攻撃範囲に入る確率は九十パーセントです。それに合わせるように『D』は時限爆弾を十秒後にして出口にセット。『T』と『G』は、一気に突入して、そこからはいつも通りに」
ミオンの口から、まるであらかじめ決まっていたかの様にすらすらと指示が放たれ、小型無線機へと吸い込まれていく。背後でカメさんが大きく頷いて、その巨大な武器を構えるのを確認し、ミオンの四角眼鏡の奥の目がこちらを覗いて。
「では、シノンさん。あなたは最初はスコープを覗かないで耳を押さえていてくださいね。爆発二秒後にスコープを覗いて、いつでも狙撃できるように準備をお願いします」
「……はい」
最後まで一息に指示を出した後、ミオンが襟元についた無線機を右手で支えて左手を開き。
「では、開戦です。五、四、三、二、一、」
鋭い目で戦場を見据えたまま、ミオンの指が動く。
そして、一本ずつ折られていく指が、ゼロになって。
同時に轟いた巨大な発射音が、塞いだシノンの耳を振わせた。
◆
砲撃の轟音と同時に、俺は隠蔽を解いて一気に対角線上の出口……と、思われる瓦礫の山へと向けて走り出した。この空洞は地べたこそ機械歩兵が歩ける程度の凹凸しかないが、その分至る所に遺跡の残骸だろう十分な高さの遮蔽物、つまりは俺にとっての足場がある。勿論こんな石壁程度では機械兵の重火器攻撃をそうそう長時間受け切れはしないだろうが、そこまで時間をかけるつもりは毛頭ない。
「―――っ、と!!!」
そんな俺の横で再び響く、爆発音と巨大な半球体状の閃光。その炸裂弾に似た爆発エフェクトの効果範囲は歩いていた機械兵を上手く巻き込んだ様で、二体どちらも激しい電撃状のダメージエフェクトを受けてその目の光を激しく明滅させている。
(やっぱ流石の威力だね、巨大光学砲は)
この「雑技団」の誇る激レア兵器の一つ、《スーパーノヴァ PRL》。
カメじいさんの撃ったあの武器はサーバーでも片手に数えるほどの希少品である、『プラズ
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