GGO編
episode1 銃の世界の戦友達2
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はそのハンデを、「榴弾系武器を主兵装として使う」という手段で覆して見せたのだ。
「ラッシー、やっぱり悪趣味だよ。彼女は狙撃手で、君みたいな偵察兵というわけじゃないんだから気付かなくても無理は無いんだからさ?」
「問題ありません。私達に必要なのは、万能では無く、一極化された力なのですから。彼女は狙撃においてその力を示して頂ければ、私としては不満はありません」
続いての面々は、ラッシーとは違って普通に歩いてやってきた。
無粋な不意打ち仕掛けた彼を諌める様に苦笑いする優男が、『ツカサ』。第一回BoBではラッシーと組んで戦い、二人のその《軽業》のスキルを見せつける様にしてAGI型の強さを見せつけたプレイヤーの一人。彼自身も確か十三位に入賞していたはずだ。
その彼の脇に立つ女性は、自分が傭兵の申請をした相手でもあり彼らのギルド『血塗れ雑技団』の敏腕秘書、『ミオン』。BoB大会には出ていないが、「全員がかなりの収益をあげる上に、傭兵を雇う」という人気スコードロンの雇用窓口であるためにかなり顔の広いプレイヤーだ。ちなみにそのいかにも「出来る女司令官」という外見は、小柄で華奢なアバターの自分からすれば正直少しうらやましい。
「それはバランスタイプである拙僧へのあてつけかな、司令殿?」
「ガハハ! そう腐るな、まだまだ若いんだからな!」
その後ろに現れた見事なスキンヘッドの男に、豊かな白髭の大柄な男。シノンには見覚えはないプレイヤー達だが、ここに現れたということは彼らも「雑技団」のメンバー、或いは自分と同じように雇われた傭兵なのだろう。加えて、その口振りからするに、この二人も今回が初めての参加ということはなさそうだ。
そして最後に、近づいてきたミオンが。
「では、今日は軽く皆の腕の確認と行きましょう。ではシノンさん、お約束の狙撃銃です。《ライトニング・サンダーレイ Ver.Y》。必ずや貴方の期待に添えると確信しています」
サーバーでもかなりの希少価値を持つ、大型の光学狙撃銃を差し出してきた。
◆
事の初めは、スナイパーライフル、《ウルティマラティオ・ヘカートU》だった。
先日ソロ探索の結果に偶然、そして相当の幸運の末に手に入れた、サーバーでも有数の大型狙撃銃。その対物狙撃銃という物騒な肩書をもつこの強力な狙撃銃を換金せずに使うと決めたのはいいが、それにはいくつもの問題があった。
その中でも特に大変と思われたのは、その使用に「慣れる」ことだ。
ヘカートは超の付くレアガンなので、所有したまま正面戦闘に参加して敗北、武装ドロップなんてことになれば一大事では済まない。しかし安全な訓練場や弱小Mobだけを相手にしていて
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