GGO編
episode1 銃の世界の戦友達
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そしてSAO時代に鍛え上げた一極化AGIを生かした俺の戦闘スタイルは……まあ、それはその時に話せばいいか。
「んじゃ、行くぜ」
「おお。また武勇伝、楽しみにしてるぜ、『D』」
そういって、ログイン場所に居座るバイヤーの男と別れる。
『D−Rasshi−00』。
それがこの、『銃と硝煙の世界』での、俺の名であり。
SAOキャラデータ引き継ぎの際に変更した、俺のもう一つのアバターの名前だった。
◆
「よう、邪魔するぜ」
「おお、ラッシーだ。いらっしゃい」
「ほら言ったでしょう、ツカサ。彼が来る可能性は八十パーセントオーバーだ、と」
迎えられたのは、本来はもう狩りに出ているはずの、スコードロンのメンバーの面々だった。
スコードロン、『血塗れ雑技団』。
恐ろしげな名前を冠した割にMob狩り特化のスコードロンだが、その名はこのGGOでもかなり広く知られ渡ったものだ。固定メンバーは五人だが、夜通し行うような大規模な狩りの時には傭兵を雇うことでも有名なスコードロンで、その席は名だたるGGOプレイヤー達がこぞって名乗りを上げるほどなのだ。
(まあ、そいつらの気持ちも分からなくはない、が)
なぜなら、このスコードロンの実績がサーバー全体で見ても桁外れなものだからだ。
狩りに参加した際の稼ぎがマイナスになることは滅多に(傭兵に関しては一度も)無く、さらに主要メンバーの面々は月に十万を超える稼ぎを叩き出すような化け物揃い。更にそのスコードロンの蓄えた兵装はサーバーでもかなり希少なものも多数あり、傭兵の中にはそれらの武器に一度触れてみたいがためだけに志願する者すらいるのだ。
「ラッシー、今日は簡単な連携訓練だってさ。明日は夜通しの狩りの予定だけど、大丈夫かい?」
「……ああ、問題ないな」
にこやかに話しかけてくる、垂らした長い前髪が特徴的な優男は、『ツカサ』。
AGI−STR型の有能なアタッカーにして、「雑技団」の真骨頂とも言える《軽業》スキル使いだ。この世界では珍しい、涼しげな外見の優男だが、その丸い黒眼鏡の下には異常に鋭い目つきがあることを、俺は知っている。
「言ったでしょう、ツカサ。百パーセント大丈夫だって。彼が他に予定があるなんてことは今までなかった、つまりは予定が無い時しかこちらにコンバートしてこないのよ」
「はは。まあ、オレだってミオの言うことを信じて無いわけじゃないけど、さ」
「ほら、じゃれつかないの。皆見てるでしょうが」
冷静に突っ込んだ、「雑技団」固定メンツの紅一点は、『ミオン』。
こちらは敏腕秘書のような四角眼鏡をかけた、赤いルージュの良く似合う才
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