GGO編
prologue 賑やかなる安らぎの日々2
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
らをじっと見据える。
「……」
「……」
……耳に痛い、沈黙。
仕方ない。
まあ、これも毎回なやりとりと言えば毎回なやりとりだ。
「……神月牡丹。汝の主人たる『四神守』が、その名の元に命ずる。俺、シエル・デ・ドュノアの指示に従ってその帰りを待て。反抗は認めない」
「畏まりました。主人である貴方様の命に従いて、『付き従う者』神月の名に恥じない完璧な働きをお約束致します。私の心も体も行動も思考も、全ては主人たる貴方様の為に」
仕方なく告げた俺の……主人たる四神守の、『命令』。
その瞬間牡丹さんの中にはなんらかのスイッチが入ったようにその表情が切り替わり、その指示を忠
実にこなす『神月』となって立ち上がり、深々と腰を折る。そのまま上げられた顔には、何とも言えない表情……いや、言いようはあるのだが、正直あまり文章にしたくないような表情だ。俺だって記事を書く人間であり、検閲は怖いのだから。
「……他には、何かございますでしょうか? いかなる命令も、私の全てを以てお応え致します」
「……い、いえ、……大丈夫です……」
なおもその放送禁止な表情で続ける牡丹さんから、俺は慌てて目を逸らした。
先ほどまでの「出来る女」というのはいったいなんだったのかと疑いたくなるような豹変ぶり。できればあまり見たくない……しかし、今の俺の稼ぎの悪さでは、定期的に見ざるを得ない、このおかしな牡丹さんモード。
なるべく早く執筆安定させねーとな。
なんつーか、いろいろと目にも心にも毒になりそうだ。
そんなことを考えながら、俺はまた大きくため息をついた。
◆
VRMMO、『ガンゲイル・オンライン』。
『GGO』と略して呼ばれるこのゲームは、俺が今までプレイして時にはそのレビュー記事を書くことすらしていた、「剣と魔法の世界」のゲームとは大きく一線を画するものだった。
一言で言えば、『銃』のゲーム。
剣も魔法も、羽も城もない、無機質な兵器の世界。
思い返してみれば、俺は今までこの手の、所謂ガンシューティング系のゲームをプレイしたことは一度も無かった。対人戦の銃撃ゲームは勿論、軍事ゲームも戦略ゲームも、対ゾンビゲームすらしたことが無い。もともとのバイトの関係も相まってそれなりにゲームは嗜んでいたつもりだが、なぜだろうか。理由、と言われると自分でも良く分からないが、とりあえずしたことが無かったのは事実だ。
そんな俺が、このゲームを知ることになったのは、あの男。
―――キミ、臨時バイトとか考えてる? もしまだなら、いいモノがあるんだよ。なぁに、キミならすぐに稼げるようになるさ。何せ『血統書付き』だからね。キミのほうも、お金が足りなくなるたび
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ