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イーゴリ公
第四幕その四
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なるハーンを退けルーシーの全てを守る」
「是非共!」
「お守り下さい!」
「神は今度こそ我等に勝利をお与え下さる。そして」
「そして」
「栄光と繁栄を!」
 それをまた彼等に対して告げるのであった。
「それを手に入れる為にいざ!」
「戦場へ!」
 兵士達が一斉に叫んだ。
「今度こそ我等の手に勝利を!」
「栄光を!」
「ルーシーの全てに栄光あれ!」
 司祭達も兵士達も民衆も貴族達も誰もが叫ぶ。そうしてそれを公爵にも向ける。
「それをお与え下さるイーゴリ公に栄光あれ!」
「ルーシーに永遠の栄光を!」
 運命の戦いに向かう彼等には見えていた。これからの栄光が。公爵は颯爽と馬に乗る。そうして愛する妻とルーシーの者達の祝福の声の中戦場に向かうのだった。もうそこには暗きものは何もなかった。東の太陽は黄金に輝き彼等を照らし出している。そうして白いマントを黄金色の翼の様に輝かせていたのであった。


イーゴリ公   完


                 2007・11・9

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