第一章 九話 熱圏突破 後編
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め!」
罵るギリアス。だが、悪い事は更に続く。
ブリッジにけたたましいアラートが鳴り響く。
「これは………!九時方向から未確認艦の襲撃です!20秒後に会敵!」
「ちくしょう、このクソ忙しい時に!仕方ねえ、迎撃する!45度回頭!全砲門開口、牽制砲撃、撃てぇ!」
ギリアスの砲撃指令を受けて、バウンゼィが回頭。恐らくはこちらに狙いを定めているであろう敵艦に牽制砲撃を加え、戦いの火蓋が切って落とされた。
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ユニコーン ブリッジ
バウンゼィへの襲撃はユニコーンの方でも察知していた。
「前方に交戦反応!バウンゼィと………データに無い艦だ。」
「未確認?いや、それは後だ。援護に行く。エンジン出力50パーセントから80パーセントへ。」
ユニコーンも戦列に参加すべくエンジン出力を上げ、交戦宙域へと進んで行く。
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バウンゼィ ブリッジ
牽制砲撃で先手を取り、対等な位置関係にバウンゼィと未確認艦を並べる事に成功したギリアスだったが、ヴァナージで受けた装甲板の損害はいかんともし難く苦戦を強いられているだ!(集中線)
そして、バウンゼィのブリッジを振動が襲う。
「うおっ?当たったか!」
「左舷前方に被弾。第二装甲板中破!」
「やっぱりヴァナージの負担が………」
未確認艦の正体はどうやら相当改造を施した黒塗りのファンクス級戦艦であるようだった。
本来船足の早いファンクス級に更にエンジン改造をしているらしく、ズバ抜けた早さでヒットアンドアウェイを繰り返してバウンゼィを翻弄している。
これでは白野に教わったヒットアンドアウェイ戦法も意味をなさない。
「なんとか近づけねえのか!?」
「無理ですよ!相手が早すぎます!」
迂闊に近づけばみすみす相手の射程内に飛び込むようなものである。今のバウンゼィにできることといったらひたすら相手の砲撃を避け続けることだけだった。
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ユニコーン ブリッジ
ユニコーンも遂に交戦宙域に到達していた。
「見えた。バウンゼィだ。」
「だいぶ苦戦しているようだな。」
「それにあの艦、ファンクス級をベースに相当改造してあるな。船足はユニコーンより上だろう。」
「ヒットアンドアウェイされると厄介だ。回避軌道を取りつつ一気に詰め寄る。」
「了解!エンジン全開
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